ダメ勇者ダーくん!なんだかんだで勇者にされ、なんだかんだで冒険する!

豊島ダイ

なんだかんだで1話



 アホンダーラ大陸の北東にある、マ・ヌーケ城の城下町の一軒家に住む、縦に伸びたボサボサ髪のダーくん14歳


 父親はギャンブル依存症で母親はアルコール依存症の借金まみれの両親と三人で暮らしていた。


 城下町には学校はあるが、ダーくんはなんだかんだで学校に行かず、自分の部屋で漫画を読んだりテレビゲームしたりして、なんだかんだで毎日を過ごしていた。


 そんなある日、三千年前に勇者によって倒され、封印されていた魔王デスの封印の消費期限が過ぎて

魔王デスが復活してしまった。


 魔王デスが復活し、その配下の十二使徒が、なんだかんだでアホンダーラ大陸に点在する平和を守る十二体の女神像の力を奪い取ってしまい、なんだかんだで大陸にモンスターが現れ始めた。


 その事態を受けマ・ヌーケ城の王様が重大発表をする。


「勇者が誰だか分からないが、十二使徒と魔王デスを退治してくれた者には富を与えようではないか」


 これを知ったダーくんの両親は、この機会を逃す訳には行かないと部屋で漫画を読んでいたダーくんを家から連れ出し、マ・ヌーケ城へと向かい王様に、


「この子が勇者です。魔王デスを倒しに旅立たせます」


 と、でまかせを言うと王様が、


「その子が勇者と言うのなら、その証拠は?」


 王様がたずねると、ダーくんの父親はきっぱりと言った。


「なんだかんだで勇者です!」


 それを聞いた王様は、


「ほう、なんだかんだで勇者なのか。ならば、なんだかんだで勇者と認めよう」


 ダーくんの父親のでまかせに、王様は納得したのであった。


 父親は王様に、


「私達の家は、なんだかんだでお金がないので武器と防具を買う資金を援助して頂けませんか? できれば高い装備品がいいので、その援助をお願いします」


 王様は、勇者なら仕方ないとダーくんの両親に五千カネを援助した。


 援助金をもらい城を出て、城下町に帰ってきたダーくんと両親。


 「ダー。父さんがこの資金を倍にして最高の武器と防具を買ってきてやるから家で待っていろ」


 酒臭い母親が、


「ちょっとあなた、私にもカネをちょうだいよ」


 ダーくんの父親は五千カネの半分を持ちカジノへと向かい、母親は半分のカネを持ちお酒を買いにスーパーへと向かった。


 ダーくんは自宅に帰り、部屋で漫画を読み始めた。


 それから夕方になり、母親はスーパーで買ってきた大量のお酒を呑んでベロンベロンに酔っぱらっていた。


 父親が家に帰ってくるとダーくんの部屋に行く。


 父親は、一メートルほどの鉄パイプとダンボールで作ったであろう盾をダーくんに渡した。


「ダー。これはなんだかんだで最高の剣と盾だ」


 と、ダーくんに説明した。


「でも、父さん。これただの鉄パイプとダンボールなんじゃ······」


 ダーくんがそう言うと父親は声を荒げ説教を始めた。


「ダー! いいか! よく聞け! 少年老いやすく大志を抱け青春は爆発だ! と言う訳でこれは、なんだかんだで最高の剣と盾だ!」


 父親から愛の説教をされたダーくんは、


「ふーん、わかった」


 と、納得して答えた。


 次の日、ダーくんは鉄パイプとダンボールの盾を装備して、なんだかんだで魔王デスの討伐の冒険に出ることとなった。


 家を出る時にダーくんは父親に言われたことがある。


「ダー。おまえ一人では魔王どころかモンスターも倒せないだろう。酒場に行け。酒場にはなんだかんだで強者達がいる。まずは仲間になってくれる者を見つけるんだ」


「わかったよ父さん。まずは酒場でなんだかんだで仲間を見つけるよ」


 無知なダーくんは、両親に勇者になって魔王デスを退治できたら、何冊でも漫画を買ってやるし更に最新型のゲーム機を買ってやると言われていた。


 ダーくんは、深く考えないと言う特殊能力を持っていた。


 ダーくんは、なんだかんだで仲間を見つけるために酒場へと歩き出す。

 冒険の第一歩を踏んたダーくんだった。




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