夜も昼もなく蠢くこの街

普天間基地の市道宜野湾11号を挟んで

普天間高校がある。

俺がいた頃、1990年か、

白人の同じ年のやつらを見つけては

ケンカばかりしていた。

3段ロットや、木刀をいつも常備していて

白人のガキを見つけ次第フルボッコにしていた。

やることがなかったから。

その頃、沖縄ヤクザの抗争も凄まじく

同級生が流れ弾に当たって死んだし、

警官も何人か殺されたっけ。

荒れていたそんな時代に

俺の同級生がいた。

ウィリアム・ケン・ホワイト

と言ったっけ？

白人の米兵と沖縄の女の

ハーフだった。

よくある話しだ。

男はとっととアメリカに帰り、

あいつは母親と

慎ましく暮らしていたっけ、

俺たちが白人のガキどもをボコボコに

するのを、あいつは嫌がっていた。

ウィリアムの顔は全くの白人で

英語が全く喋れず。

どっちつかずにいたのかもしれない。

当時の俺たちはそんなこと知るよしもない。

ケンカしかやることがない、

暇つぶしと鬱憤を

晴らしていただけだ。

今、こんな時代になって

アイツの気持ちはどうだったのか？

ずっと考えている。

終。