02.渇望(Craving)
アレキシは、この状況を打開するため、人々が考えて欲しいと切に願っていた。
アレキシは世界図書館へ向かう。
世界図書館は彼の職場である。
あらゆる情報がデジタル化され、管理されている場所だったが、アレキシはなぜか紙媒体の書物に惹かれた。他の職員ですら見向きもしないのが現状で普通の振る舞いとされている。
紙を指でページをめくる感触、インクの匂い、そしてそこに宿る人々の思考の軌跡。それらが、彼を唯一退屈から救い出すものだった。
アレキシは周りの人々から消えている何かを探すべく、暇さえあれば本をがむしゃらに読み続けた。
【渇望】
指でページをめくる
感触 インクの匂い
明日も 行き止まりが見える世界
強制リロード
退屈からの救世主(メシア)
ないものねだり
沸き立つ感情汚染
元にもどせない さあ
飢えた ココロ 粛然と
霧となり塵となり
繋がり合う過去と今
全てを
満たすまで 歴史の渦に飛び込む
ただ 無心に
ただ 真っ直ぐに
ページをめくる
感触 貪り尽くす
穢れない水を 飲みつづけ
思考のビロード
怪物からの救世主(メシア)
アイを おねだり
沸き立つ感情汚染
いまのこの世界 ああ
無意識の潮流
とめどなく "渇望の秘鑰(ひやく)"
もっと もっと
淫らに 頭の中へ
飢えた ココロ 粛然と
霧となり塵となり
繋がり合う過去と今
全てを
満ちた ココロ 騒然と
点となり 線となり
繋がり合う過去と未来
全てを
満たすまで 歴史の渦に飛び込む
ただ 無心に
ただ 真っ直ぐに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます