年の差があってもいいじゃない?

小阪ノリタカ

夏の夕暮れの公園で


とある夏の夕暮れ、静かな公園のベンチに二人が座っていた。


「ほんとに、僕でいいんですか…?」

大学生の陽翔はると(20)は少し不安げに彼女――水城みずき(32)を見上げる。落ち着いた雰囲気で、包容力のある大人の女性。陽翔とは12歳離れている。


「…陽翔、どうしてそんなこと聞くの?」

水城は柔らかく笑い、手元のアイスクリームを一口かじる。

「今さら、年の差なんて、関係ないよ。私がいいと思ったから、陽翔と一緒にいるの。」


水城の言葉に陽翔はしばらく黙って空を見上げる。

「でも…水城さんとは、考え方も、経験も違いすぎて、僕なんかが……」


水城はそっと彼の手を取り、温かく握った。

「違うからこそ、いいのよ。私が教えてあげられることもあるし、逆に陽翔から学ぶこともある。お互いさまだよ」


その言葉に、陽翔の胸の中のもやもやが少しずつ晴れていく。

「…そうですね。じゃあ、これからも一緒に、水城さんといろいろ経験していけますかね?」


水城は笑顔でうなずき、二人は夕日に染まる公園を、静かに歩き出した。

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年の差があってもいいじゃない? 小阪ノリタカ @noritaka1103

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