<第零章・第1話公開時点でのレビューです>
荒廃した世界で戦い続け、心身をすり減らした青年が、女神の介入により500年後の新しい世界に転生する物語ー
戦士としての能力や魔力の描写は具体的で鮮烈ながらも、自然や平穏な風景との対比によって、物語全体に静かな余韻を生み出しています。転生というファンタジー的展開を軸にしつつも、主人公の心情描写が丁寧で、単なる戦闘譚には終わらない構造が印象的でした。
烈斬の発動で森の木々が根元から根こそぎ抉れていったという場面は、500年後の世界で半減した能力を確認する場面として、主人公の強さと新天地での適応の難しさを同時に示しています。
女神との会話や内部モノローグを通じて、主人公がただの強者ではなく、休息や平穏、他者との共存を模索する人物として描かれている点にも興味を惹かれました。
戦闘のスリルと静かな再生の描写が交互に現れることで、物語のテンポや読み応えが独特に感じられます。
英雄譚でありながらも新しい世界での可能性や葛藤が丁寧に描かれており、次の展開を自然と期待させる物語です。