これは感情のアートです

初めて破いたのは、要らないノートでした。

以前、自分の感情を綴ったノートです。

月に一回のゴミ収集の日に捨てる予定の。

ビリビリと音がします。

破いているという感覚が伝わってきます。

最後の硬い部分はどうしましょうか。

叩きつけてください。

大した音もせず、迷惑もかかりません。

そこに山ができましょう。

要らないものでできた感情のアートです。

次に破いたのは、教養を気取って

居場所だけを陣取っていた、学習教材です。

以前、頭を使って解いた問題達です。

一度解いただけでは何の身にもならぬ過程。

同じようにビリビリと音がします。

以前より破く勢いをつけられるようになりました。

部分によって、破き心地が多少違うのです。

破きにくい方向があります。

破きやすい方向に引き裂くのです。

そこに色が生まれました。

居場所を生み出す感情のアートです。

問題はありません。

むしろ、丁度良いのです。

彼女は言葉で伝わらないそうなので、

私の感情をアートに変えることを、

私は選びました。

この山を見たら彼女は

私の感性に震えてくださるでしょうか。

それとも、再び、アートの源になってくださるのでしょうか。

どちらにしても楽しみですね。

アートも童話も物語もこのようにして生まれているのでしょうか。

また捨てきれぬ希望が生まれてしまいました。

破る紙はいくらでもあります。

問題はありません。

楽しむことにしましょう。

私と彼女との感情のアートを。