8月3日の日記

探偵 「ではさっそく読んでいきましょう」


日記の真ん中には、探偵が記録した当時の小説投稿サイトであげられていた小説のメモがある。その下に探偵が手書きした内容がある。


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タイトル 女の子の囁き。

著者 青井

文字数 98

タグ:女の子 1人 誕生日

投稿日 8月3日 15時00分

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 女の子はケーキの前で独り言をしている。

 姓名ってなんで決まっているんだろう。

 ことしにはきっと性を変えるんだ、と。

 ろうそくの火が消える。

 しかし彼女はまだ未成年。

 ただ、成人になってから、性を変えようね。

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ジャンル『立志物語』

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探偵 「投稿日は8月3日。今日ですね。勘がいい方はすでにお気づきだと思います。私の推測の前につい今朝で起こった事件のニュースをお見せしましょう」


日記の下に貼り付けられている、黄ばんだ新聞を読む。


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8月3日 今日の新聞ニュース!

『恐怖の殺人事件』

 本日未明、14歳の誕生日を迎えるAさんが学校へ向かう途端、急に足元から激しい炎が発生し、全身が焼かれ、死亡した。偶然起こった災害か、人的行為だったかは警察がまだ取り調べ中。

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探偵 「どうでしょう。青井さんの小説と似たような話ですね。しかし要点はそこではありません」


日記の筆者は、赤ペンで小説の内容のほうへ線を引いていた。


探偵 「一行ごとの頭文字をご覧ください――――『女性ころした』と見られます。ここが私が注目したポイントです」


日記の左ページがすべて埋められ、右ページのまとめに進む。


探偵 「理屈はお分かりいただけたでしょうか? このように彼女の小説を読み解いていきます。彼女をいつ逮捕するかについては、彼女の居場所を突き止めたときに、私が直々に潜入したいと思います」


『まとめ』終わり。

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