ちょっと特別なお地蔵さんがおられます。
子どもの頃から、病気のときに手を合わせてきた人も多いでしょう。ありがたい存在やのに、その顔立ちはどこか苦しそうで、幼い頃は近寄るのが怖かった記憶もあります……。
この物語は、そんなお地蔵さんにまつわる地区の言い伝えと、それにまつわる出来事を描いたものです。
読んでいくうちに、子どもの頃から「当たり前」と思っていたものが、実はとんでもなく恐ろしい意味を持っていたのではないか――そう気づかされます。
静かな町の日常のなかに潜む、不気味で抗えない力。読み終わったあと、きっと誰もが「地元に伝わる言い伝え」を簡単に笑えなくなるはずです。