第3話:探索(1)
ドアを開けた瞬間化け物に出くわすのはごめんなので、ドアに耳を当ててやつがいないか確認する。
う~んいない...かな?書斎にあった本をある程度読んでいて時間が経っているからか、やつはどこか遠いところに行ったのかもしれない。恐る恐る化け物がいないか確認しながらドアを開ける。
ーキィ...
いないよ・・・ね。少しドアを開けてみると、少しばかり暗い空間が見える。ところで、
フゥ・・・。そういえば、辺りは暗いのに書斎の光が漏れていたら見つかってしまうんじゃないか?いやでも、化け物はぱっと見た感じいなかったしな・・・。
でも、もし
あれが玄関かな・・・?玄関ということにしとこう。
もし玄関なら下はエントランスホールということになる。私がいるところはエントランスホールから1つ上の階っぽいので、どうやらここは2階らしい。今まで勝手に館だ館だとか言っていたが、本当にここは館なんだろう。洋館っぽい。エントランスホールの中央から自分の階に続く階段もあるし。ゲームとかでよく見る構造だ。
・・・っと、そんなことを考えている場合じゃない、場所を変えないと!早く移動しないとやつが来るかもしれない!焦燥感でだんだん脈が速くなる。
周りを確認すると、書斎の隣に部屋とエントランスホールに続いてるっぽい階段を見つけた。隣の部屋に別の化け物がいたら嫌だなぁ・・・いやでも、本読んでた時とか隣の部屋から音しなかったしな。
・・・いや待て、冷静になれ。隣の部屋も明かりがついていて、そこに隠れてもまた奴が来るんじゃないか?探索するにしても化け物には極力遭遇したくない。
さっきエントランスを見たとき化け物はいなかったっぽいから階段を下って下に行こう。階段の前に立つ、壁の側面にある階段だからか、少し暗いエントランスホールよりもさらに暗い。
「く、暗ぁ・・・」
さっき化け物を見たからか、体がすくむ。でも階段を下るしかない。慎重に一段一段下る。下がったらこっちのもんだ、バッチコーイ!もし遭ってもお前なんか、ギッタンギッタンにしてやる!そう鼓舞しながら下る。うまく降りれないし、足が震えている気がするが気のせいだろう。
「フゥ・・・やっと降りれたぁ」
フッ、余裕だったな。怖かった階段を下り終えて開放感がある。今は無敵かもしれない。・・・ウッ。そんな訳ないだろとでも言うように、化け物を見た記憶がフラッシュバックする。
野生動物は初めて見るものには大体恐怖すると聞いたことがある。つまり初めてのものに恐怖するのは動物としての本能・・・だから自分が怖がりとか言う訳ではなく、あの化け物を怖がるのは必然...!そう思うことにした。
エントランスホールについた。
・・・今更だがこの状況、RPGみたい。突然謎の場所にいたり、変な館にいるんだからRPGみたいに感じる。RPGを遊んでいるとき、この状況の時どうするか・・・もちろん探索をして脱出する手がかりをつかんで、脱出する。
書斎から出るとき、探索しようと思ったが、もう一度ここで、決意する。・・・やろう、探索を、そして脱出する。暗くて怖いし、化け物もいて怖いが、永遠にここにいて死ぬとかごめんだ。
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