身近な寝床が一瞬で“敵地”へ反転する体感型ホラー。痛点→探索→発見→消失の運びが巧みで、「赤黒い紐」の嫌悪感が脳裏に貼り付く。
毛布に潜む恐怖を描く一遍。じわじわと広がる痛みと痺れ、忽然と姿を消す不気味な存在に息を呑む。安堵の後に訪れる悪夢が恐怖を倍加させ、最後の一文と画像が身を震えがあがせる秀逸な作品です。
この作品は、まさに作者同士の温かな?コミュニケーションから生まれたものだが微笑ましいのは経緯だけで、話の内容は寧ろ、震え上がる程に 悍ましい。しかも怖いぐらいの臨場感が 体験者 であるところの作者自身の緊迫した筆致で読む者の目の前に展開される。 これは周到なモキュメ……いや、 リアルな ドキュメンタリー だ。これ程までに恐ろしい目に遭うとは。しかも、この 恐怖の予感 は伝播する。硬質な筆致で綴る、 まさに誰しもが出遭う可能性のある 恐怖。