第四話 [外出の悲劇①]~白焉修道院篇~
今日は振替で休み。昨日は特別に修行日で、みんなの実力を測り終わり、みんなの
「今日は、休日だし遊びに行かね?」
「いいね!先生に聞いてくる」
そう。誘ったのは
「今日
彼は、
「隣の隣の隣ってややこしいな…。ならさ、
「煌橙天才!」
珀爾はいつも煌橙を天才扱いをしている。
「氷室先生?」
クールなイメージの龍惺は以外にも能天気なところがあり、身の回りの事以外は詳しくない。だから、世話をしてくれる大焚先生しか、知らなかったのだ。
「龍惺ってそういうところあるよね。氷室先生はここ、
「はい…」
このくだりはいつもの事だから珀爾は苦笑してた。
氷室先生に許可を取りにっていた煌橙が戻ってきた。
「どーだった?」
「じゃーじゃーん!千五百円貰ってきた。「好きな物買いな」って」
食い気味で来た二人は喜んだ。三人は出かける準備をして、街に出た。
この街は、
今日、三人は畑をぬけ、海沿いの商店街に遊びに来た。来るのは初めてではないが、来る度に興奮する、とても楽しくていい場所なのだ。珀爾は、みんなでバイク屋に寄ろうと提案した。しかし、バイクに興味のない龍惺と煌橙は断った。珀爾は窓越しに、横目で少しバイクを見ることしかできなかった。
「かっけぇ…いつかあのバイクにまたがってやる」
このようなことを考えるだけでも楽しかった。
この後、悲劇が起こることも知らず。
「お腹すいたね、あそこのファミレスでお昼ご飯食べて帰ろうぜ」
珀爾の提案にみんな賛成して、ファミレスに入店した。
「俺ハンバーグ!」
「僕もハンバーグ」
「俺もハンバーグ」
「全員同じですね笑、かしこまりました。」
……
「美味しかったー」
三人とも満足して、会計をして帰ろうとしたその時、
「やべぇ、僕ら一人五百円しかない。ハンバーグセットひとつ650円だ…」
煌橙が気付いた。なんてことだ、子供達だけだったから、考え無しの行動が招いた悲劇。珀爾は「逃げよう」と言ったが、龍惺が止めた、
「さすがに素直に言おう」
「店員さん優しかったしね。」
と、続いて煌橙も。
「そうやな、怖いけど、」
煌橙が、レジの前に立った。
「あ、あの、店員さんすみません。お金が足らなかったです。す、すみません。どうしたらいいでしょうか、」
少し悩んで店員は応えた。
「そうだね、それはダメだ。でも、今回だけは見逃してあげる。お姉ちゃんが出しといてあげる。今度からはダメよ!」
「「「本当ですか!?ありがとうございます!」」」
一同は感謝して、店を後にした。
「よし帰るか。」
と、珀爾。
「案外遠いんだよなぁ、」
だるそうにしている龍惺に、煌橙が
「面白いこと教えてあげる。僕だけが感じるのかもしれないけど、行きの道は長く感じるけど、帰りの道は短く感じるの。わからない??」
珀爾と龍惺は頭にハテナが浮かんだ。
このような他愛もない会話も、幸せだったということを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます