第三話 [確定]~白焉修道院篇~


龍惺りゅうせいすげーな、煌橙こうだいの言う通り毒だったな」

 現在のりんの実力を測った日の夜、穴の直った新しいベッドの上で盛り上がっていた。

 「明日が楽しみだね。珀爾はくじ輪術りんじゅつは、修行を見ていると、氷っぽいね」

 「煌橙は、光?みたいな感じかー」

 互いの輪術について話し合っていたが、気が付けばみんな眠っていた。

 翌朝、大焚おおたき先生が呼びに来た。

 「それでは修行を始めましょう」

 龍惺と煌橙はすぐに修行を行う広場に出た。珀爾はと言うと、…寝坊だ。大焚先生に起こされ、遅れて広場に集合した。

 「改めて、修行を始めましょう」

 大焚先生はカルテを手にし記録する準備をした。

 「どちらからいきます?どちらでもいいですよ」

 大焚先生が問うと真っ先に珀爾が名乗り出た。珀爾の試験開始だ。

「よっしゃ、やってやるぜ」

 珀爾は気合を入れた。すると、今までは少し冷たい冷気を出すだけだったのに、目の前の池の水を全て凍らせたのだ。そこから、珀爾が手を挙げた。内心、珀爾は出来るか不安だった。しかし、氷の張った池から氷の柱が突き出てきたのだ。氷の柱はそこまで大きくないが、すごい能力だ。

 「珀爾さん、凄いですね。氷系ですか、記録記録…」

 大焚先生も満足げだ。龍惺も、悔しながら褒めていた。次は、煌橙の番だ。

「よし、僕だってみんなに負けるもんか」

 煌橙の今まで時点の実力は、手から光を照らすだけだった。しかし、彼もみんなと同じく成長していた。煌橙が気合を入れる。

 「ふん!」

 煌橙の手からは、変わらず光が照った。だが、その光は熱を持っていたんだ。珀爾が氷張りにした池を溶かしだしたのだ。それに、近くにいた龍惺は、少量だか煌橙の熱光を浴びて暑さに襲われていた。

 「皆さんすごい成長ですね」

 集計を取るので少し待っててください。

「「「はい!」」」

 みんなは元気よく返事をした。

 集計が取れたようだ。みんなに報告が来た。

 「試験順で発表していきます。

東雲龍惺しののめりゅうせい毒蛇輪どくじゃりん

青柳珀爾あおやぎはくじ氷撃輪ひょうげきりん

設楽煌橙したらこうだい陽光輪ようこうりん

 以上です。皆さんとても成長していますよ。今までの記録を見る限り着々とレベルを上げれています。このまま頑張りましょう。」

 実は、知らず知らずの間に先生は記録をしていた。それに、一同は驚いていた。

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