市立南小さくら会

みなりん

第1話 入学式

教室を出ようとした時、開けてあった窓から、さくらの花びらが舞い込みました。


「わあ、桜ふぶき」


真友は、窓辺へ行き、グラウンドのほうを見渡しました。校庭の大ざくらが風に揺れているのが見えました。


「あ、ゆいちゃんの髪に花びらが」


「真友のあたまにも」


2人は、お互いについたさくらの花びらをとってあげるのでした。


真友は、さくらの花びらを手にのせて、そのかたちを観察しました。もしこのピンクの花びらが座布団みたいに大きかったなら……。風に乗って空を飛んでいきたい。もし、うんと高く飛べたら、雲のクッションでひと休みするのもいいな。ただし、晴れの日にかぎりね。


「みんな、先生が、体育館へ集合だって」


クラス長が先頭に立って、クラスメイトを誘導します。そろそろ、入学式が始まるのです。新一年生は、今頃どきどきしていることでしょう。そして、市立南小は、新たなる年度を迎えたのでした。

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