前世はどこに宿るか

脳に機械的に介入できるようになった時代。ある脳科学者は自身の脳の研究中、数十年前の別人の記憶に迷い込んでしまう……。

情感に訴えるSF。
巧みな描写力と構成力に支えられており、視点ごとに切り替わる文体が見事です。
全体としては脳科学系のSFでありながら、テクノロジーの裂け目に横たわる人間心理を追求するような視点が素敵でした。
SFとヒューマンドラマの界面を探る、素晴らしい作品だと思います。