元ヤクザの俺(女)、転生しても毎日が楽しい件!
瀬戸川清華
戦闘って、楽しい
「や、奴らが…
「
「豊覇羅京組の総員、ひゃ、百四十八だそうです!」
俺は、くっそ高い椅子(値段)に堂々と一度も口を開かず座っていることが使命だった。そう。だった。
俺は、甲高く響き威圧感のある声で言った。
「ここまで、切羽詰まってんなら、もう、いいよな?」
「は?」
「どう言うことですか?」
部下からのざわめきが聞こえる。しかし、そんなことは気にせずに椅子からゆっく
りと腰を上げ言った。
「俺が逝く」
「逝く、ですと⁉︎」
……間違えた。俺は、コホンと咳払いをした。そして、言い直した。
「俺が行く!」
「仕切り直さないでください!組長!」
……お早いツッコミをどうもありがとう。でも、今そうじゃないよね。流石に、今
言うべきことか見分けてね…
「も、もし、もし万が一、組長が…そ、それにお跡目はどうなさるのですか?」
「跡目は、本家の血を継いでいれば誰でも良い。いっそのこと、あの親父にハッスルさせて…」
「もうやめてください。組長」
部下たちは、俯き黙り込んでしまった。そんなにダメな話題だったろうか…
「チッ、今はそんなこと話してる場合じゃねぇそんぐらい見分けろ」
「……その場合だからお話ししているのですが…」
うるせぇな。今は、一刻を争うのになんで俺の部下はこんなにも平和ボケしてんだろうか…
「兎にも角にも、今はそんな話をしている時間などない!俺が奴らを迎え撃つ。良いな?異論は許さない。これは、命令だ」
俺は、部下たちを睨みつけた。すると部下たちは顔をこわばらせ背筋を伸ばし、左手を真下に下ろし右手を左胸に当てた。中には、涙を堪えている者もいた。
「「「「「「「「「了、組長」」」」」」」」
皆が息ぴったりに言った。命令を受け入れたと思ったら、部下たちが次々に口を開いた。
「組長必ず勝ってください」
「負けたら、
「ハハッそれは、負けるよりこぇな」
俺は精一杯笑い、精一杯怖気付いていることを隠した。
皆、乾いた笑い方をしていた。きっと皆、わかっていたのだろう。今回のことがどれだけ無謀なのか…成功することなどほぼ無いことを…
それでも、行かなくてはならなかった。この島を守り切るために。この組、
犠牲になるのが組全体か、組長1人か…
それならば、俺1人で行く方が良い。そう思い覚悟を決め148対1の
「ほう、こんなに大人数でお迎えされるとは…」
俺は、防弾ジャケットに銃2丁、替え玉をいくつかと護身用ナイフを一つ持っていった。俺は、今まで戦闘をしたことがない。知識であるだけだ。だからこそこんな装備じゃ気休めにもならないとわかっていても、悪あがきをしたくなってしまう俺に嫌気がさしていた。
「もしかして、怖気付いているの?今からでも逃げたら組の奴らも一緒に連れて行ってあげ……」『パァン』
雲ひとつない晴れた青空の下、鮮やかに銃声が響いた。
「どうしてだろう?なぜ、陸と空の色はこんなにも違うんだろう?なんで、こんなにも空は青いのに、なんで陸はこんなに赤いんだろう」
あれ?何でだろう。殺ったことないのに。殺り方がわかる。どうすればいいのかがどうしてだろう?
***
「
全組長は、額にある古傷をそっと撫でた。
「あいつは、異常だった。あいつに3歳の頃木剣を握らせたら一瞬でこの世の生物が滅びると判断したからだ。この傷も、あいつの放った木剣で付けられた。ヤクザの中でもトップクラスの
***
「ハハハハハっ!楽しいねぇ、面白いねぇ」
一体何人殺っただろう?数えてないや。俺が歩くたびに、ぐちゃぐちゃとなる人間だったもの…人間が人間でなくなる瞬間ってこんなにも面白いんだ!
楽しい!面白い!時間なんて忘れてしまうほどに!
「……あれ?みんな?もっと動こうよ」
俺は、ニンゲンをペチペチと叩いてみるが、反応がない。
「ね、ねぇ…もっと一緒に遊ぼうよ!ねぇ、ねぇってば!」
俺は、焦り出していた。一緒に遊んでいたのに、ニンゲン、楽しそうにしてたのに。
パァン!
「へ?」
俺は意味がわからなかった。何だろう。この赤黒い液体は。何だろうこの熱さは。お腹がジンジンする。赤黒い液体が止まんない。俺は後ろを振り返った。すると、そこには目や口から液体を流しながら銃口をこちらに向けているのがいた。
「この…ばけも…の、め…死んで、お…俺たぢのながま…ガハッ…を、ご…殺した、罪を……償え!」
俺は、前にどさっと崩れ落ちた。
「俺も、ここまで…か、最後だけど楽しかったよ」
俺は、ゆっくりと目を閉じ死んだ。死んだはずだった
「何じゃこりゃああああああああああああああああ!それに、ここどこだよおおおおおおおおおお」
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