YouTubeのご意見番になりつつあるオタキングこと、岡田斗司夫。
サイコパスを自称する岡田氏による「推し」論は、開口一番に作者を驚かせる。
曰く、自分の推し活は大っぴらに公開するべきではないらしく……?
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衝撃的な喩えを次々と出してはいるものの、言ってることはマトモである。
ただ、今の「推し」という言葉の汎用性は「ヤバい」などと同じで、まったく発言者の「重さ」「スタイル」が分からないので、
すべての推しが岡田氏の語るものかというと微妙ではある。
蛇足を承知で深掘りすると、岡田氏……ひいてはオタクと呼ばれる人は昔、居場所がなかった。
世間からは「いい年こいてアニメとか」と嘲笑を受けていた。とある事件もあって、アニメオタクは何考えてるか分かんなくて、世間とまともに関われなくて、犯罪者予備軍で……みたいなレッテルが貼られていた。
冷遇の中でもコンテンツを収集分析し、知識や教養をものにし続けて、ようやく自他ともに認めるオタクになれたと思いきや、
既に日本アニメが世界的な「誇り」になり、逆に誰もが「俺アニメ、結構見てんだよね〜」とアニメオタクを自称し始めたという経緯があるのだ。
それは「オタク」というステータス目的であって、そのコンテンツ(アニメなど)に対する常人離れした関心(や尊敬)はなかった。
岡田氏の発言には、そういう安直な「好き」宣言に対する嘆き節も、多分に含まれているのではと感じられた。
……まあ、皮肉な点を一つ挙げるとするなら、そのように語る岡田氏を推す人々もまた、それなりにいるだろうなということだ。