これさえ読めば、読者が読みたくなる「テンプレ」の書き方が分かる!?

本作を読んで学べるものは極めて多いです。
テンプレの良さが分からない私たちは、その第一歩からかん違いしているのです。

「テンプレって、
 ナーロッパで、
 剣と魔法で、
 冒険者ギルドで、
 女神と異世界転生で、
 チートとスキルとステータスで、
 ゴブリンとドラゴンと魔王が出てくるんでしょ?」

と。
そしてそんな作品をまねして書いてみて、人気が出ないで首をかしげるのでしょう。
自分が、テンプレの何たるかを何も分かっていないことを知らずに。

テンプレとは、常軌を逸するほどに「読者に快楽を与える」ことに特化した文章のスタイルです。
テンプレの前には、小説を書くための講座で講師が教える「必要最低限の要素」がすべて不要です。

・魅力的な世界観
・魅力的な主人公
・魅力的な悪役

全部いりません。不要です。邪魔です。
何の邪魔? 読者が気持ちよくなるために邪魔なのです。

このことを、本作は非常に分かりやすく伝えています。
まさに目からうろこ。
なぜ「テンプレをなぞってみても人気が出ない」のかがこれを読めばわかります。
特にすばらしいと思ったのはこの一文です。



読者は承認欲、支配欲、性欲、自己顕示欲に飢えている。
だが、同時に■■■■■も好きである。



ここはぜひ皆さん読んでください。
例えば私が「読者は承認欲、支配欲、性欲、自己顕示欲に飢えている」と思い、それを満たせる主人公の物語を書いたとしましょう。
感想欄にはこう書かれるに違いありません。

「主人公が不快でもう読まない」
「下品な欲望丸出しで読んでいてイライラする」
「悪役と主人公のやってることが同レベルで偽善者だと思う」

「あれ? なんで? なんで読者の欲求を満たすものを書いたのに!?」と私は頭を抱えるでしょう。
なぜだめなのか?
それは読者が欲しがる、■■■■■を無視しているからです。

■■■■■に当てはまる文字が何なのか。
是非お読みください。

テンプレはキモいかもしれません。
けれども、これを読めばもしかしたら――

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