あとがき


この物語を書きながら、

ずっと「正義とは何か」「正解とは何か」という問いを胸に抱き続けていました。


物語の中で勇者アレンは答えを見つけられませんでした。けれど、

それは決して失敗や無力ではなく、

むしろ「迷い続けること」こそ人間らしさの証だと私は思っています。


片方を「悪」と断じれば、物語は単純でわかりやすいものになるでしょう。


しかし現実もまた、正義と悪を一色で塗り分けることはできません。


それぞれの立場、

それぞれの願いがあり、

時にぶつかり合い、すれ違い、

悲劇を生んでしまう。


それでもなお、人は歩みを止めず、

問い続け、答えを探し続ける

――その姿にこそ希望が宿るのだと

 信じています。


「正解」という題名を選んだのは、

その言葉が「唯一の答え」ではなく「探し続ける姿勢」を象徴しているからです。


読者の皆さまが、

この物語を閉じたあとに、

少しでも「自分にとっての正解」

を考えるきっかけとなれば、

これほど嬉しいことはありません。


最後まで読んでくださり、

ありがとうございました。




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正解 αβーアルファベーター @alphado

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