殺し屋美少女、学生になる。

chicken15

第1話 殺し屋のお仕事

私は人を殺す。

別に殺したいわけでも、殺したくないわけでもない。

おじいさまに言われた依頼をただこなすだけ


だけどそんな生活も悪くなかった。

おじいさまは本当に優しいし、依頼もめんどくさいだけで

そんなに難しくもない。


依頼を終えたある日、おじいさまの部屋に行くと

おじいさまがいつも読んでいる本が机に置いてあった。

私は気になった。おじいさまの読んでいる本がどんなものなのか、

難しいものなのか、面白いものかもしれない


そうして私は本を開いた。そうして最初に私の目に移りこんだのは

手をつなぎ、歩いている男女の絵だった。私は困惑しながらも

ページをめくった。そうして私が見たものは

女をおぶる男の絵、傘の中に2人で入る男女の絵などだった。


これを見ていると私の胸が高ぶった。

どうしてかはわからない。だが初めて人を殺した時の

緊張感とはまた違う胸の高ぶりを感じた。


その本を見ていると部屋におじいさまが入ってきた。

本を見ている私を見て少し驚いていたが、すぐに言葉を発した。


『興味があるのか?』


「はい。おじいさま」


なぜかすぐに答えが出た。


『そうか、それは二人の男女の学校生活を描いたもの

いわゆる恋愛漫画というものだな』


「学校生活、恋愛漫画...」


どちらも仲間がよく話題に出していたものだ。

私はどちらも知らなかったから話には入れなかったのだが..


『行ってみるか?学校』


そんなことをおじいさまが言った。私は思ってもいなかったことを言われ、

困惑したがすぐに言葉を発した。


「良いのですか!?」


『あぁ、良いとも。

しかしその場合、殺し屋はやめてもらう』


「何故ですか!?」


私はまだまだおじいさまの役に立ちたいのに。


『わしはお前が人を殺していることに罪悪感を覚えている。』


おじいさまはそんなことを言った


『いくら拾った子とはいえ、お前のことは孫のように思っている。

出来ることなら、お前にはこれ以上人殺しなどしてほしくはない』


「そう、、ですか」


おじいさまが悲しい顔をしている。これ以上悲しませてはいけない


「おじいさま、私は学校に行きたいです!」


『そうか、よく言った。ただお前は学歴がない

だから学歴がなくても入ることができる

【ダンジョン学校】に通ってもらおうと思っている』


ダンジョン学校、名の通りダンジョン探索者の育成に力を入れている学校か


「はい、それでお願いします」


『わかった。お前なら実技試験も簡単に合格できるだろう』


「ありがとうございます」


『もし、ダンジョンに入ったら配信をしてくれ

もちろん必要な機材はわしがそろえる』


配信って何だろう


「配信とは何ですか?」


『専用の機材を使いダンジョンの中と撮影者の

状態をリアルタイムで教えてくれるのだ』


「そうなのですね」


『では、お前には今日から殺し屋を引退してもらう

学校の試験は2か月後だ。それまできっちり体を休ませておけ』


「わかりました。おじいさま」

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