第35話 海賊との宝探し -2

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4. ルナの情報過多とリリアのツンデレ救済

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アキナの高所恐怖症による暴走で海賊船が混乱に陥る中、ルナは情報過多でフリーズ寸前になっていた。海賊船の膨大な記憶と、海賊たちの感情の波が、一気にルナの脳に流れ込んできたのだ。


「ひっ……たくさんの……情報……感情……記憶……情報過多……!だ、だめです……フリーズ……しそう……!」

「ルナさん!?」


ルナは、大量の情報に脳が処理しきれなくなり、その場にうずくまってしまう。フィーネは、この状況に頭を抱えた。


「ったく、こんな時にフリーズするなんて!ルナ、しっかりしなさい!」

「あんたが固まったら、この作戦がめちゃくちゃになるわよ!」


リリアがツンデレながらもルナを叱咤激励する。その言葉に、ルナはかすかに反応する。


「……宝の……隠し場所……じゃない……船の……弱点……火薬庫……」

「火薬庫!?何よそれ、意味不明だわ!」


リリアはルナの言葉に首をかしげる。フィーネは、その言葉に顔を青ざめた。


「火薬庫!?まさか、海賊船を爆破するつもりですか!?」

「ルナちゃん!そんなこと言わないでください!」


フィーネの悲鳴が、海賊船に響き渡る。宝探しは、もはや混沌の極みに達していた。




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5. エルミナの「とりあえず破壊」とセラの魔道具暴走

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ルナの情報過多とリリアの困惑で海賊船が混乱に陥る中、エルミナが無表情で船の構造を見つめていた。


「邪魔ですね。とりあえず……」

「エルミナちゃん!?」


エルミナは、そう言うと、船の床に向かって、広範囲破壊魔法を放った。轟音と共に床が崩れ落ち、船体が揺れる。


「エルミナちゃん!何してるんですかーっ!船がーっ!沈んじゃう!」

「効率的な解体です」

「効率的じゃないです!」


フィーネが絶叫するが、エルミナは全く気にしていない。その混乱に乗じて、セラが怪しげな魔装具を構えた。


「素敵です!この魔装具を使えば、船の魔力を解析できます!『魔力吸い取り器』起動!」


セラは目を輝かせながら、怪しげな魔装具のスイッチを入れる。船から放たれる魔力が、セラの魔装具に吸い込まれていく。


「セラちゃん!それは何ですか!?勝手に魔力を吸い取らないでくださいーっ!船が暴走しちゃう!」

「な、なんだこれ!?船が光ってるぞ!」

「魔力が……すごいことに……!」


アキナが驚きの声を上げ、ルナが顔を青ざめる。フィーネは、すでに胃がキリキリと痛み始めていた。


「まずいです!セラちゃんの魔装具が暴走してる!船が……船がーっ!」


フィーネの悲鳴が、海賊船に響き渡る。宝探しは、もはや混沌の極みに達していた。




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6. アキナの暴走とリリアの方向音痴

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エルミナが船を破壊し、セラが魔力を吸い取り始めたことで、海賊船はさらに混乱を深めた。フィーネが「もう、めちゃくちゃです!」と叫ぶ中、アキナが突如として叫び声を上げた。彼女は、マストの上の宝を前に、恐怖のあまり剣を振り回し始める。


「ひっ……た、高い……!足が……すくむ……!」

「アキナちゃん!落ち着いてください!」

「無理……無理だぁぁぁ!」


アキナは恐怖のあまり、その場で剣を振り回し始める。


その剣が、偶然にもマストに当たった。


ギシギシと大きな音が響き、マストが傾き始める。海賊船は、一瞬にして沈没寸前となった。


「きゃあああ!何事だ!?」

「船が!船が沈むぞ!」


海賊たちが悲鳴を上げる。フィーネは、もはや絶望の顔でその場にへたり込んだ。


「アキナちゃんまでーっ!船がーっ!私の利益がーっ!」


宝探しは、アキナの高所恐怖症による暴走で、完全に破綻してしまった。そんな中、リリアはルナの言葉を思い出し、火薬庫を探して船内を走り回っていた。


しかし、方向音痴のせいで、宝の隠し場所ではなく、船の秘密の抜け道を発見してしまう。


「火薬庫はどこよ!……ん?なんだここ?こんな抜け道、地図には載ってないわね……」

「リリア!どこに行くんですかーっ!」


フィーネの悲鳴が、沈みゆく海賊船に響き渡る。宝探しは、もはや混沌の極みに達していた。



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7. イリスの分析とセラの奇妙な「魔力操作」

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アキナの高所恐怖症による暴走で海賊船が混乱に陥る中、イリスは冷静に船の構造と魔力反応を分析し始めた。彼女の瞳は鋭く輝く。


「ふむ、この船の魔力循環は非常に不安定ね。エルミナの破壊魔法によって、さらにその不均衡が増しているわ」

「それがどうしたんですか!?」

「そして、セラの魔力吸い取りが、この不安定さをさらに加速させているようだわ」

「すごいね、セラ!」


イリスが分析を続ける横で、セラは怪しげな魔装具をいじりながら、船から漏れる魔力を無邪気に吸い取り続けている。


「イリス様!この船の魔力を応用すれば、きっと新しい魔装具が作れます!」

「ほう?」

「ほら、これで……船全体を浮かせられますよ!『浮遊船化装置』起動!」


セラは目を輝かせながら、新たな魔装具のスイッチを入れる。海賊船がギシギシと音を立て、わずかに浮き上がろうとする。


「セラちゃん!やめてください!船が壊れちゃう!」

「沈んじゃう!」

「なっ……船を浮かせると!?それは真理魔法の領域だわ!危険よ、セラ!勝手にいじらないで!」

「データが乱れるわ!」


フィーネが息を切らしながらセラの手を掴もうと必死になるが、イリスまでが焦った声を上げる。しかし、セラはイリスの言葉にも耳を貸さず、夢中だった。海賊船は、奇妙な音を立てながら、不安定に揺れ始めた。



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8. アリスの歌と混乱の連鎖

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セラの魔力操作によって、海賊船が奇妙な浮遊状態に陥る中、アリスが楽しげに歌い出した。その歌声は、海賊船の混乱をさらに加速させる。


「まずいです!セラちゃんの魔力操作で船が浮いてます!海賊たちもパニックに……!」

「フィーネちゃん、大変だね!」

「これ以上、混乱させないでください!」


フィーネが絶望的な顔で叫ぶ。


「これは最高にロックだぜ!盛り上がっていこうぜ、みんなー!パーティータイムだぜ!」

「アリスさん!歌わないでください!余計に混乱するだけですからーっ!」

「頼みますから、これ以上、被害を増やさないで!私の利益がーっ!」


アリスはフィーネの悲鳴にも構わず、リュートをかき鳴らし、高らかに歌い続ける。海賊たちはアリスの歌声に、突然体が勝手に踊り出し、剣を放り出して奇妙なステップを踏み始める。船上は大混乱に陥った。


「ぐおおお……!体が勝手に……止まらない……!」

「なんだこれ!踊りが止まらねぇ!戦どころじゃねぇ!」

「最高だぜ、海賊ども!」


海賊船は、もはや戦場というよりは、奇妙なダンスパーティと化していた。


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