現実と幻想、死と生の狭間をあまりにも繊細に描いてあったので、作者は一体何者なのだろう、どういうバックグラウンドを持っている人なのだろう、と作品の感想を書く前に、そちらに興味が向いてしまい、色々と考えてしまいました。
それぐらい考えさせられる作品でした。
この作品からは、近年の若い世代に特有(であると私が感じている)の静かな絶望や痛みとの共存といった価値観が浮かび上がってきます。
それは逃避ではなく、喪失や孤独を丁寧に抱きしめるようなその感性は、大人世代とは異なる死生観を感じさせられます。
彼らは答えを求めず、断絶さえも一つの在り方として受け入れるような気がしてなりません。
その冷静で優しい諦念は、むしろ強さの表れだとも思います。
痛みや傷を美として昇華させる姿勢が、とても現代的な作品です。