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結局、わたしはアヤカおばちゃんの車に乗せられて、ショッピングモールの水着売り場に一緒に行くことになった。鏡の前でわたしの服の上からいろいろな水着を当ててみて、
「なっちゃんはイエベやさけぇ……やっぱこれが合うんやないかなぁ……」
言いながらおばちゃんが選んでくれたのは、スカート付きの黄色のワンピース水着だった。イエベってなんだろう、と思いながらもさっそく試着室で試着してみると……
いい! スクール水着より、断然かわいく見える!……ような気がする。
でも、おばちゃんも、
「あっらー!
って言ってくれた。いちおう、ミライにもひそひそ声で聞いてみる。
「(ミライはどう思う?)」
『いいと思いますよ。おばさんのセンスは間違いありません。やはりイエベのなっちさんは、黄色が似合いますね』
「(イエベって、なに?)」
『イエローベースの略で、肌が黄色っぽい人のことです。そういう人は、やっぱり黄色っぽい色が似合うんですよ』
……そうなんだ。だったら、やっぱりこれかな。
「おばちゃん、わたし、これがいい。でも……お金出してもらうの、なんか、申し訳ない、っていうか……」
おばちゃんに言うと、おばちゃんはすごくいい笑顔になった。
「
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とうとうみんなでプールに行く日になった。天気は快晴。絶好のプール日和だ。
午後三時に、市民プールに現地集合。わたしが着いた時には、もうエリカちゃんとケイちゃんはプールの入口前にいた。そして……二人とも、目を丸くしている。
「あんた……なっちなの?」
ケイちゃんがとてもびっくりした様子でそう言ったので、わたしはむくれ顔になる。
「ひどいなぁ。わたしの顔、忘れちゃった?」
「い、いや……なんか、ふんい気全然変わったな、って思ってさ。髪型も着てる服も、今までと全然違うし」
「ああ、わたしのおばちゃん……お父さんの妹さんが美容師してて、いろいろと助けてくれたの」
「へぇ。いいなあ、そんなおばさんがいるなんて」これは、エリカちゃん。「私もそのおばさんにアドバイスしてもらいたいな」
「うーん……ちょっと遠くにいるんだけど、それでもよければ紹介するよ」
わたしがそう言った時だった。
「おまたせー!」
アラタくんの声に振りかえると、彼を先頭に男子全員が自転車で次々にやってきた。そして、なぜかみんなギョッとした顔になる。
「ええっ……なっちなの?」と、アラタくん。
「そうだよ」
もう。
なんでみんなすぐに気づいてくれないんだろう。
あ、そうか……
わたし、かなり変身しちゃったんだ……
「マジか。髪型変わると、ふんい気もかなり変わるんだな。びっくりした」
アラタくんがほっとしたように言うが、ショウタくんはポカンとした様子で、何も言わない。
「ショウタ、どうした?」
アラタくんの声に、ようやく気が付いたみたい。
「あ、ああ。なっちの髪、よく似合ってる……と思う」
そういうショウタくんの顔が、なんかちょっと、赤くなってるような……
「あ、ありがと……」
わたしの顔も、熱くなる。
「……」
ニヤニヤしたケイちゃんが、無言でわたしをヒジで軽くこづいた。
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