検索してはいけない

然々

序章――インタビュー映像

カメラは暗い部屋を映している。小さな卓上ライトの下、神経質そうな男性が座っている。

彼は画面越しに落ち着かない目を動かし、低い声で語り始めた。


「……あれは、軽い気持ちだったんです。深夜の掲示板で『検索してはいけないワード』ってスレッドを見つけて。くだらない遊びだと思って……まさか、こんなことになるなんて」


編集で彼の声が途切れる。画面に黒背景と白文字でワードが浮かぶ。


――『八月十五日の子守唄』

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