7月7日 田中さくらと田村莉子
最近、
よく保健室で休むようになったし、授業中もボーッとしている。
今日なんて当てられたけど、明らかに聞いていなかった感じだったから、あたしが横から教えてあげた。
トモセンだったから優しく、大丈夫か?体調悪い?と聞いてくれて、保健室に行かせてくれたけど。
去年のバヤシだったらきっと面倒なことになってたぞ。や、保健室には行かせてくれただろうけど。根掘り葉掘り聞かれてたぞきっと。
そんなとき思う。
なにしろ家庭がちょっと複雑なのだ。
去年、
でも、意外と厳しいというか、父親ムーブをかましたいとこもあるみたい。いろいろ、
去年ちょっと引いたのは、家族旅行で家族風呂を予約されて一緒に入ろうって言われたって聞いた時。
まあでも、盛り上がっちゃってるだけで、よく話せばわかってくれるっぽいんだよね。その時もあたしが
ま、いきなり年頃の女の子の父親になって、距離をちぢめたい気持ちはわかるけどさ、基本人との距離が近いタイプっぽいから、
あと多分、
その人に比べたら今の
だから
そのせいかわかんないけど、
だからってのもあって保健委員になったんだ。保健委員になれば
三時間目の休み時間、
給食を持ってって、一緒に食べよう。
保健の
今日の給食は
七夕祭り、
「ありがとうね、田中さん。田村さんちょっと心配だから、話聞いてあげてくれる?先生も、今度聞いてみようとは思うけど、先生には話しづらいことかもしれないから」
トモセンは優しい
先生は
「うん、聞いとく。トモ――大友先生になら、
あたしはそう言って、給食のお盆を二つ持って、保健室に向かった。
保健室のドアの前に立ち、耳をすます。
……うん、すごく静かだ。電話とかはしてなさそう。寝てるのかもしれない。
「……
静かな声で呼びかけながら、片足をひっかけて扉をゆっくりスライドさせて開ける。
「給食持ってきたよ〜……」
カーテンが閉まってる。ベッドに近づく。
「今日は
少し声のトーンを上げて、呼びかける。
返事は、ない。
「
お盆を持ったまま、
そこには
頭が――顔が、首から上が、なかった。
ベッドと床が真っ赤に染まってて、ポタポタと垂れていた。血が。
血?
――
これ、
すごい叫び声が聞こえる。それがあたしの口から出てることに、少ししてから気づいた。あたしはいつの間にか、床に尻もちをついてた。こぼれたシチューで手とお尻が濡れている。給食のお盆を落としていたことにも気づかなかった。自分の叫び声が遠くに聞こえる。止まらない。ゆっくり右手を伸ばす。ベッドから垂れ下がった手に触れる。
その手の先の床に、血まみれになった紙が落ちている。ふるえる手で拾う。何かたくさん書いてある。
誰かがバタバタと廊下を走ってくる音が遠くに聞こえた。
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