第9話【わたし視点】おっきなお城と、ぴかぴかのひとたち!
翼さんの背中に乗って空を飛んでいたら、すっごくおっきな街が見えてきた! 今まで見たどんなおうちよりも、もっともっと大きなお城みたいな建物がたくさんある!
翼さんは、その大きな街に向かって、ゆっくりと降りていく。
街に近づくと、たくさんの人が、アリさんみたいに小さく見えた。みんな、空を飛んでいるわたしたちを指さして、何か叫んでいる。わいわいがやがや、すごく賑やかだ! もしかしてみんな、わたしのファンなのかな? えへへ。
やがて、翼さんは、ひときわ大きな建物の、ものすごく大きな門の前に、ふわりと降り立った。
門はすごく分厚くて、黒い鉄のごつごつした飾りがついてて、なんだか強そうだ。その周りにも、すごく強そうな兵隊さんたちがたくさん立ってる。みんな、ピカピカの鎧を着ていて、黒騎士さんが着ているのより、もっと豪華な感じがする。
翼さんの背中からぽよんと飛び降りると、黒騎士さんが、ピカピカさんたちに何かを話しかけた。硬くて、でも堂々とした響きの声。
門がぎぎぎーって大きな音を立てて開いて、わたしたちは大きな建物の中に案内された。中は、もっともっとすごかった。
床は鏡みたいにピカピカで、壁には綺麗な絵がたくさん飾られていて、天井からは宝石みたいな飾りがたくさんぶら下がっている。
わたしたちは、すごく広くて豪華な部屋に連れてこられた。
そこには、ふかふかのクッションがたくさん、それこそ山みたいに置いてあった。赤いの、青いの、金色の刺繍が入ったもの。まるでクッションの海だ!
わたしは、ビー玉さんの腕の中から飛び降りて、そのクッションの山にだいぶっ!
ぽよんっ。
体がクッションに沈み込んで、すごく気持ちいい! 天国みたいだ!
わたしは、嬉しくなって、クッションの一番高いところにぴょんぴょんと登って、そこからごろごろーって転がり落ちる遊びを始めた。
ビー玉さんと黒騎士さんは、部屋の隅で、また何か真剣な顔で話している。
わたしは、ひとしきり遊んですっかり疲れて、一番ふかふかなクッションの上で丸くなった。
ここで暮らすのかな。美味しいものが、たくさんあるといいな。
そんなことを考えながら、わたしはすうすうと、幸せな眠りに落ちていった。
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