第6話 6

新宿まで出て、手をつないで、

雑貨屋を見ながら、二人の記念の

品を探していた。


ビルの中に、雑貨屋があって、

そこを見ていて、二人で決めたのが、

携帯のストラップだった。

お互いに、相手のストラップを選んだら、

全く同じの携帯ストラップで、

二人はくすくす笑いながら、

レジに向かった。


感性が同じだったのだ。


お店から出て、今日は、

カフェに入る。


頼んだホットケーキが来るまでに、

偶然にも、機種が同じで色違いだと

判明したお互いの携帯に、

ストラップを付け合いっこをした。


「いい感じだね。」

「うん。」


カフェでゆっくりとした時間を過ごして、

また、新宿の街を見て歩いて、

今日は、私が乗る電車の改札口まで、

送ってくれた。


でも、そこで彼が言う。


「本当は、もっと一緒にいたい。」

「私も。」

「でも…。」

「でも?」

「きちんとした付き合いをしたいから、

我慢する。」

「うん。わかった。」

「ちゃんと順を踏みたいと思ってる。

しかも、俺達、受験生だから。」

「そうだよね。」


私たちはハグをして離れ、

私は見送ってもらった。


「また、明日な。」

「うん。あしたね。」


私が乗る電車が遠ざかるまで、

彼は、改札からすぐの所に居た。


今日、初デートだったけど。

これは始まり。


彼が、最後に言った言葉。


そうなんだ。私達は、まだ始まったばかり。

これから、いろんなことを二人で、

経験していく。

それが楽しみであり、不安であり。

でも、二人だから、乗り越えられるよね。


私は、そう思いつつ、CDプレーヤーを

取り出して、イヤホンをつけた。


楽しかった。

うん。いくら話しても足らないくらい、

嬉しかったし、自然で居られた。


勉強も実技も頑張れそう。


私は、車窓を見つつ、微笑んだ。

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仲間から始まる恋もある。 波羽 紗羅 @sarasaramac

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