クラスの人気者の未希。
彼女は友だちも多いし、勉強もできるし、カッコいい彼氏もいる。
「私」はそんな彼女と接点はないと思っていたけれど、ある日彼女が話しかけてきた。
クラスでも人望の厚い彼女が言うには、亡くなったお姉ちゃんがなんでも教えてくれるという。
そんな未希の様子がおかしくなってきて――。
怖かったです。
人に依存してしまう恐怖と、コントロールされてしまう恐怖。その恐怖がつぶさに描かれていました。
ラストは特に背筋がぞくっとくる寒さと、その絵がはっきりと脳裏に浮かび上がりました。
未希はこれからどうなってしまうのか…。
文章が端正で惹き込まれるのです。
ぜひ読んで見て欲しい作品です。
当人にしか聴けない見えない導きの声。
その声にしか耳を傾けなくなった少女の運命を描く物語です。
小学生の頃から学校の人気者〝未希〟
同じ中学校になった彼女が主人公に近づくことから物語は始まります。
主人公が見て語る未希は、人の心の機微を巧みに捉えた対応で振る舞います。
学業成績も優秀。先生との関係も良好。
自身の身体を使う事柄以外はすべてが卓越しているのです。
それは、未希を庇って亡くなった姉の守護霊の導きだ。
彼女はそう言います。
〝ね、お姉ちゃんに任せたらなんでもうまくいくの〟
無邪気に語っていた彼女。
中学二年の終わり頃から彼女をとりまく事態は急変します。
何故なのか。
それは、ぜひ本編をご覧ください。
依存し、客観視を捨てた人間。
その未来に、戦慄を覚えます。
本作を読んでいる方は、きっと思うのです。
恐らくこの先、遠くないうちに来る一瞬を。
すべてを知り、自身の来し方行く末。
そして現状を確りと実感させられた人間の絶望の瞬間を。
もうずっと、死ぬまで世の中が間違っていると信じていられたら、幸せなのに。
きっと、それは許されない。
破滅へと向かう予兆。その未来に恐怖する。
素晴らしい恐怖短編です。
ぜひ御一読ください。
あなたのために何でもしてくれる人。そんな人がいるとしたら、どんな人だろう。
未希はみんなの人気者。何をすれば相手が喜ぶか、よくわかっているのだ。
それは、事故で亡くなったお姉さんが教えてくれるから、らしいのだが……。
多くの人は、周りの人から好かれたい。辛い努力はせずにいい結果を出したい。嫌いなことはやりたくない。
そんな身勝手な願いを、叶えてくれる人がいるとしたら?
普通は、そんなことあるわけない、何か裏があるんだ、と思うだろう。
でも、いつも「こうすれば間違いない」ことを教えてもらえたら。
いつしか、依存してしまうのではないだろうか……。
未希はどんな結末を迎えるのか、それはあなたの目でお確かめください。
亡くなったお姉さんが守護霊となって世話してくれる。
未希という女の子は、そんな恵まれた(!?)境遇におり、なんでもお姉さんの言う通りにして生きてきました。
おかげで成績は抜群、話し上手で友達もたくさんいたのですが、ある時、未希は友達に辛辣な言葉を言い放つようになり……。
死してなお妹を心配している姉。
そして、亡くなった姉を慕い続ける妹。
この設定を聞くと、とても心温まる物語を思い浮かべますが、本作はそうはならず、徐々に恐ろしい展開に変わっていきます!
そして、ラストの描写の恐ろしさ……!
体中がぞわぞわっとして、体温が一気に冷えました!
暑い夏の夜のお供に、是非ともご一読を!!!