『僕』と『俺』の物語

さかきちか

第1話 ありがとう、またね

 ありがとう、と言われた。またね、とも。また、はないなとおもっていたのだけれど、こういうときはそう言うのが暗黙の、罪なき最後の優しさみたいなものなんだろう。わかってた、と少し笑われた。貴方が『そう』だって。かもしれない。……同性の想い人を理由に、初めて自分を好きになってくれた女の子をふった。

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