出会いはボーイスカウト
〇あらすじ
「未来は下見できない」 エピソード『腹筋BREAKER決勝トーナメント 決勝戦①』より
「腹筋BREAKER」決勝戦に進出した「シタミデミタシ」。
決勝戦では大会ラストイヤーとなる「エクセレンツ」と激突する。
彼らからは優勝への揺るがない思いが感じられた。
本ネタは先攻「エクセレンツ」の披露するネタとなっている。
「エクセレンツ」
ボケ:ウィリアム
ツッコミ:エドワード
――
「どーもー、エクセレンツでーす」
「「イッツ ショータイム!」」
「人は恋する生き物、そうは思わないか?」
「思わない」
「馬鹿者~! ビューティフルな人生に恋愛は欠かせないだろ!」
「そうなの?」
「なんて反応だ! そんなお前に俺の初恋トーク聞かせてあげちゃうよ」
「おおウィリアム、是非ときめかせて欲しいね」
「あれは小学生の頃、俺とラトナは恋に落ちて」
「待て待て待て! いきなり国際恋愛なの?」
「ラトナはインドネシア出身の子だよ。出会いは日本だけど。余談でラトナのお母さんが日本人男性をひっかけて再婚してまんまと日本国籍を取得した話があるんだけど」
「いらないよそんな話! ビューティフルはどうした? せっかくだから出会いの話から聞きたいね」
「俺たちボーイスカウトで出会ってさ」
「あまりにも意外過ぎる! 印象的な出会いだね」
「一緒にご飯食べたときに仲良くなったね」
「いいよね野外料理」
「ごーはんだごはんーだー さーあ食―べようー はい、温めたレトルトカレー」
「カレー作ろうよ! せっかくの野外なんだからさ」
「美味しいよねレトルトカレー!」
「勢いでどうにかしようとするな!」
「そこで俺はラトナがカレーに手を付けていないことが気になったんだ」
「仕方ないよ、ポークエキスが入ってるレトルトカレーだったらダメだから。インドネシアはイスラム教の人が多いんだから。タイムスリップしてレトルトカレーを選んだ主催者側に文句言いたいね」
「それを見て俺もたまらず言ったんだ」
「うんうん」
「カレー食べられないなんて、はっはっは」
「クソ野郎か! タイムスリップしてお前をシバきたいよ! なんならここでもいいぞ!」
「そしたらラトナがカレー食べていいよってさ」
「すごい優しい子だね」
「そこからそれがきっかけで一緒になることが増えたね。ロープワークの時に亀甲縛りにされたなあ」
「結構代償キツイな! ざまぁ的な意味だと中々芸術点高いけど」
「こんなに縛るのが上手いなんて」
「うーん、ポジティブー!」
「それからはボーイスカウトの外でもちょくちょく会うようになったな」
「え、小学生でデートしたの? おませさんじゃない?」
「そうは言ってもお金が無いし、ラトナは自然が好きだから。もっぱら公園だったよ」
「でもいいね。それは素敵な思い出だね」
「公園では犬、猫、あとはホームレスを観察したりしたな」
「ホームレスはやめてあげてくれよ!」
「あと、ラトナは自動販売機が好きなんだ」
「という事は、ジュース買ってあげたのかな?」
「二人で自動販売機の下に小銭が落ちてないか漁ったなあ」
「やだよそんな小学生! それにな、これは小遊〇師匠の専売特許みたいなもんだぞ」
「もちろん二人でジュース買って飲んだりもしたよ」
「そこはちゃんと買ってたんだね」
「あと、ラトナがお金を忘れたときには買ってあげたことがあるよ」
「やるねえ。男見せてるじゃん!」
「あいつ生意気にもペットボトル買いやがったんだよ!」
「前言撤回! 器小さかったでーす」
「でも、ラトナの笑顔が可愛かったから、笑顔を見た瞬間だけ許した」
「そう思うならずっと許してあげてよ!」
「でも、そんな楽しい時間ってのは長くは続かなかったな。ラトナはお父さんの転勤で引っ越してさ。それが最後だったな」
「結構切ない別れだねー。小学生にはちとキツイかも……」
「そしたら家で泣いちゃったな。ラトナと過ごした時間を色々思い出しちゃってさ」
「何か分かる気がするわ」
「ラトナにロープで亀甲縛りにされたこと。ラトナにロウソクで攻められたこと。ラトナにロープでシバかれたこと」
「いいのかそんなダイジェストで! あと、多分レトルトカレーの件相当根に持ってるぞ!」
「ラトナ、君のパフォーマンスは素晴らしかった」
「そんなんお前にしか分からないよ!」
「あんなテクニシャンは金輪際現れないかもしれない……」
「変態同士いいカップルだったんだな」
「ああ、ラトナ。もしラトナにもう一度会えるなら言いたい」
「何をさ」
「150円返して!」
「絶対返ってこないから!」
「「これでショーは閉幕だ アディオス!」」
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