おともだち 2話

「んん? 柚麻ちゃん?」

 スマホに表示された画面。私は絵を描いていた手を止めて、通話ボタンを押す。

「はい、柚花ですよ」

「も、もしもし柚花……」

 電話の向こうの双姉あねは酷く動揺している様子だった。

「何、どうしたの」

「あ、あのね、今窓の外にね、ねんじが……」

「ねんじ?」

 そんな名前の知り合いはいない。私は思わず眉をひそめる。

「誰?」

「ねんじだよっ! ほら、昔見てた」

「んんん?」

 柚麻はおかしくなってしまったのかもしれない。

「ねんじ、覚えてない?」

「うん……。でも気になるから聞かせて」

 そう言うと、電話の向こう、「わかった」と小さな声が返ってきた。

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