星になった蝶

浅霧スカリ

序章

あの夏の思い出

序章

もうすぐだ。

もうすぐ、彼女と初めて出会い、そして別れた夏がくる。


俺は目を細めて、瑠璃色の空を見上げた。

もう俺は大学生で、あの頃のことは思い出に変わりつつある。

でも、俺の心には、まだあの笑顔が刻まれている。

俺を助けてくれた時の澄んだ力強い声も、耳に残っている。


天の川が綺麗に輝く夏の夜、彼女はここから去っていった。

俺の頭の中にある、あの夏を描いたイメージ。

その中で、あの日の彼女が瑠璃色に包まれた星の下で微笑みながら消えていく。


でも、俺の心の中にはまだ、彼女がいるのだ。

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