第9話 8月23日 空き地の帰り道
午前中、カズとタクと3人で近所の空き地へ。
網を片手にセミを追いかける。
ジジジジジ――夏の音が頭の上から降ってきて、汗が首筋を伝う。
セミを入れた虫かごは、もうぎゅうぎゅうだった。
「もう帰ろうぜ」
みんなで坂を下りる途中、前から女の子たちが歩いてきた。
その中に、あの子がいた。
白いシャツに、日傘をさしたお母さんと一緒。
心臓が急に速くなる。
声なんてかけられない。
ただ、すれ違った一瞬に目が合ったような気がして――
汗なのかドキドキなのか、胸のあたりがやけに熱い。
帰り道、虫かごの中のセミの声がやけに大きく響いていた。
でも、耳に残っていたのは、あの子の笑顔だった。
今日の気づき
「特別な一瞬は、なんでもない帰り道にふいに現れる」
あのトキメキは、今も忘れない、夏の思い出。
Cherish today! Enjoy your adventures and don't look back on the past. Focus on the road ahead and keep moving forward!
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