第2話 先生は熱くて冷たい

あの日から一日が経った。

教室にはドアの隣の席でペン回しをする彼と

窓際の席でカラコンを入れるギャル、

黒板の日付を書き換える学級委員長、

コーヒーを嗜む先生の4人しかいない。

静かな朝の教室は考え事をするには最適だ。


『ステップ1:ボケーっとした性格を直せ』

彼はハッとした。

(そうか!いつも一人な僕を哀れに思った人が

僕の反抗心を掻き立ててクラスに馴染ませようと

メッセージを送ったんだ!)


それに気づいた彼が行動に移すのは早かった。

起立!からの教室を揺らす声で

「おはよう!!!」

「ぐふっ」「「……」」

先生はコーヒーわ吹き出し、委員長とギャルは目を丸めた。

少しして咳き込む先生を横目にギャルが大笑いした。


すると、この修羅場に昨日の女子が入ってきて

もちろん彼は「おはよう!!」

「うるさっ」

「……」

彼は一気に冷静になった。

なにを寝ぼけたことをしたんだと

恥ずかしくなった。


しかし彼女は何事もなかったかのように席について髪を

結び直し、先生はというとコーヒーで汚れた服を

着替えに職員室へ向かい、ギャルはまだ笑いが

止まらないようだった。


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