読み終えた瞬間私も酩酊して書いてみようかと一瞬思ってしまいました。酩酊して書けば、もしかしたらこんなに美しい文章が書けるのかもしれないと。
そして、そんなわけはないと思い直しました。そんなわけはありません。作者様の元々のお力が表に出ただけです。
まず驚かされるのは文章そのものの密度です。主人公の厭世観や魂と肉体に対する認識が、難解になりすぎる寸前の絶妙なバランスで描かれており、一文一文が静かな重力を持っています。
特に「肉体という檻」が作品全体を貫いていて、哲学的な独白でありながら不思議とすんなりと体に染み込んできます。イオン飲料もびっくりです。そのあたりは本当に匠の技だと思います。
そして何より美しいのが終盤です。浮遊していた意識が、尻の痛みや雨の冷たさといった極めて身体的な感覚へ回帰していく流れ。
その過程は、あらゆることを肯定するでも否定するでもなく、ただ静かに受け入れていく、宗教観に近い(語彙がなくてごめんなさい。他の表現が思いつかなかった)ものを感じました。
雨の匂い、地面を擦る靴音、消される棒人間。抽象と具体を往復しながら世界を立ち上げる筆致を褒める美しい日本語が私には思いつきません。強いて言うならエクセレントでしょうか。(日本語ですらありません。)
「一発書きで読み返さないぞ☆」という軽いタイトルから、こんな透明で美しい文章が飛び出してくるのは反則。ただただ作者様の技術の高さに唸らされる作品です。
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