あなたはオワコン

糸川透

　ドラマの主題歌に起用され、その歌がヒットしたところまでは良かった。その後に、それに似たような曲を出したあたりからダメになった。結局その曲はいまいちヒットせず、ほとぼりが冷めた状態だ。

　高校一年の時に出会って、フォークソングとロックを融合させたその斬新なサウンドの虜になって以来、ずっとその活躍をこの目に焼き付けようと追い続けてきたが、もう限界だ。ほとほと愛想が尽きた。かつてのひずんだギターの荒々しい音は鳴りを潜め、一般層に受け入れられようという魂胆が透けて見えるポップなメロディーが幅を利かせている。

　一時は、バンドなんて変わるものだし、自分もその変化を受け入れて応援していかなければならないなんて考えていたが、新曲を出すたびに昔の楽曲と比べては、自分の好きなロングビーツではないとがっかりすることに疲れてしまった。もうこんなオワコンバンドの応援なんてするものか。