ご褒美みたいな数十秒
翠容
ご褒美みたいな数十秒
信号待ち。
赤から青になる、待ちの数十秒。
何もない空を見上げる。
そこに何かあるかを、ちょと期待して。
すると、隣で同じように信号待ちの人が
私につられるように空を見上げた。
その様子がちょっと面白い、なんて思う。
だって、そこには何があると、いうわけじゃないから。
──でも、その日は違っていた。
夕立のあと。
まだ雨の匂いが残る空には、
大きな虹が架かっていた。
隣の人もそれに気づいたみたいで、
なんだか嬉しそう。
ふと、見ると。
周りにいる人たちも空を見上げていた。
なんだか、みんないい顔。
うん、私いいことをした?
何もないはずの空を見上げる。
だけど、時にはこんな素敵なことがある。
ご褒美みたいな時間。
私だけでなく、みんなが幸せになった。
ご褒美みたいな数十秒 翠容 @suzu-yo3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます