4メライガの奇跡と運命の旅路

@amagaminomikoto

第四章:繋がる希望の光アクアティカ

森の奥に巨大な岩壁が聳え立っていた、その中心に


ぽっかりと開いた暗い穴が最初のダンジョンへの入り口だ「アレン」は剣の柄に手をかけ周囲を警戒しながら「みこと」に向き直った


「ここが最初のダンジョンです水のダンジョン……アクアティカと呼ばれています中に入ると外の世界とは時間の流れ方も空気の質感も変わります決して私の側から離れないでください……」


「みこと」は、ごくりと息を飲んだ目の前のダンジョンは……ただの洞窟ではない……まるで巨大な生き物が口を開けているかのような不気味な威圧感を放っていた「アレン」は「みこと」の不安を察したのか優しく微笑んだ


「大丈夫です「みこと」殿のお母様と王様を救うという使命が私たちに勇気を与えてくれるでしょう」


「アレン」はそう言うとダンジョンの入り口の周囲を指差した


「このダンジョンは単なる魔物の棲み処ではありません……この星に秘められた特別な理を理解するための場所なのです……」


彼はそう言うと静かにダンジョンの入り口へと足を踏み入れた「みこと」も


その後を追う一歩足を踏み入れた途端ひんやり


とした空気が肌を刺した、しかし外の光が届かない


はずなのに壁が自ら発光し周囲は淡い水色の光に満ちている壁には水の精霊たちが楽しげに踊る姿が描かれ


まるで水中にいる、かのような幻想的な空間が広がっていた


「このダンジョンは水と深く結びついています……あなたの祈りの力は……このダンジョンと共鳴し新たな扉を開く鍵になるかもしれません……」


「アレン」の言葉に「みこと」は驚きを隠せない彼女の力がダンジョンの謎を解き明かす重要な鍵と


なるのか期待と緊張の入り混じった表情で「アレン」と共に奥へと進んでいった


ダンジョン内は信じられないほど静かだった、ただ二人の足音だけが不気味なほどに響く嵐の前の静けさ


この静寂こそが次に何が起こるか分からない一番の恐怖だった


その静寂を破ったのは鋭い銀糸の調べ水流の音だった


「「みこと」殿……危ない!」


「アレン」が叫ぶと同時に壁の模様が光り輝き無数の水の精霊が鋭い刃となって二人を襲った「アレン」は「みこと」を庇い剣を構えるが精霊の数はあまりにも多く身動きが取れない


その時に一筋の光がダンジョンの天井から差し込んだ


それは「みこと」の光と共鳴するように三つの光の塊となって輝きを放ち水の精霊たちを焼き払った


「まったく……いきなり危険な場所に飛ばされるなんてな……」


聞き覚えのない声が響き光の中から一人の青年が姿を現した彼は鋭い眼差しで「アレン」と「みこと」を見つめ


「お前たちは……このダンジョンに囚われたのか?……」


青年の背後には「みこと」に、そっくりな顔立ちをした二人の少女が立っていた一人は優しげな顔立ちで


もう一人は、どこか儚げな雰囲気をまとっている


「私たちは……あなたたちを助けに来ました……」


優しげな顔立ちの少女が微笑んだ「あまがみ」が「みこと」と「アレン」に事情を説明し自己紹介をし5人が奥へ進むと巨大なクリスタルの扉が道を塞いでいた扉には複雑な模様が刻まれ、その中心には水がたまる窪みがあった


「このクリスタルの扉は水の理を司る精霊が特別な力を持つ者にしか開かないように創り上げたと伝えられています……この窪みに「みこと」殿の祈りの力を注ぎ込めば扉は開くかもしれません……」


「アレン」の言葉に「みこと」は目を閉じ静かに祈りを捧げた


すると彼女の手から淡い光が放たれ窪みの水が光り始めた、しかし扉はびくともしない


「この扉を開くには……もう少し力が必要みたいだ……」


「アッシュ」はそう言うと剣をクリスタルの扉に向けた


「俺たちの力も一緒に使わせてもらう」


「アッシュ」の言葉と共に彼の剣と「あまがみ」の歌声そして「リーネ」の放つ予知の光が「みこと」の祈りの光と一つになりクリスタルの扉を輝かせた


「……扉が開いた……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

4メライガの奇跡と運命の旅路 @amagaminomikoto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画