パート2:血刃の影

霊峰道場の設立から数週間、雷雲峰は弟子たちを鍛え上げていた。風翔は剣の速度が上がり、月瑠は双剣の連携が洗練され、岩虎は大槌の破壊力が倍増した。だが、雷雲峰の心には不安が芽生えていた。血影盟の残党が静かすぎる。鎌鬼を倒した後、動きが止まったかのようだった。「静けさは嵐の前兆だ。」雷雲峰は深蒼の瞳で夜空を見上げ、剣を握りしめた。

その夜、道場に不穏な気配が漂った。銀光の月が雲に隠れ、闇が深まった瞬間、黒装束の刺客たちが襲撃してきた。血影盟の精鋭部隊、二十人以上だ。リーダーは女剣士、血蓮。緋炎のような赤い髪をなびかせ、細剣を手に冷笑した。「雷雲峰、鎌鬼を殺したのはお前か。血刃様の命で、貴様の首を取る。」

雷雲峰は弟子たちに下がるよう指示し、剣を抜いた。「血刃?そいつが本当の首領か。」血蓮は答えず、細剣を閃かせた。雷雲峰は絶対霊剣を発動。細剣の軌跡がスローモーションに見え、剣で弾き返した。怪力乱舞が炸裂し、緋炎のオーラが刺客たちを圧倒。一閃で五人を薙ぎ払い、血蓮が後退した。「化け物め…!」彼女は毒霧を放ち、部下と共に闇に消えた。

雷雲峰は弟子たちを呼び戻した。「敵は本気だ。道場を守る準備をしろ。」風翔が拳を握った。「師匠、俺も戦う!」月瑠と岩虎も頷き、武器を構えた。雷雲峰は微笑んだ。「いい覚悟だ。だが、戦いはまだ始まったばかりだ。」

翌日、雷雲峰は量子霊神のシミュレーションで血蓮の戦法を分析。彼女の細剣は速く、毒を仕込んだ罠が得意だった。「次は逃がさない。」雷雲峰は弟子たちに、血影盟の戦術を教えた。風翔には剣の速度を、月瑠には連携を、岩虎には防御を重点的に指導。道場は戦場となり、弟子たちの汗と血が石畳を濡らした。

夜、雷雲峰は一人、道場の裏山に登った。無窮剣典を手に、怪力乱舞の新たな技を模索した。「乱舞連閃」――連続で剣気を放ち、敵を圧倒する技だ。量子霊神の粒子を集中させ、銀光の剣気が山を切り裂いた。だが、体内で粒子が暴走し、胸に痛みが走った。「まだ…制御が足りない。」雷雲峰は膝をつき、緋炎の血を吐いた。

その時、風翔が駆けつけた。「師匠!大丈夫か!?」雷雲峰は笑い、立ち上がった。「心配するな。俺はまだ死なない。」風翔の緋炎の瞳に、師匠への信頼が宿っていた。雷雲峰は決意を新たにした。「血刃を倒す。だが、その前に、お前たちを最強にする。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る