anatomy monster〜改造生物アナトミーモンスター〜

沙也加

第1話

ある日の夜。

女子高生の真田初音は大学受験を控えた受験生であり、その日は塾が終わるのが遅くなり、11時を過ぎていた。

「ヤベェまた兄貴にドヤされる!」

彼女は暫くまだ人が歩いている大通りを走っていたが、家までの最短ルートである裏通りを突き進んだ。

すると、目の前に白い身体に首、尻尾、足首に金色の輪っかを付けた一頭の犬が現れた。

しかし、犬なんかに構ってる暇なんてなく、通り過ぎようとした。

今度はチンピラ風の若い男たちが声をかけてきた。

「よぅ、姉ちゃん」

「こんな時間に1人だと危ないだろう?」

「オレたちが送ってやるよ」

詰め寄る男たちに初音は振り払おうとしたが、彼らは力で押さえつけようとした。

そこにさっきの犬が男たちの腕に噛みつく。

「いってぇ」

「この野郎!」

男たちは犬に捕らえて殴ろうとしたが、犬の方が一枚上手でその身のこなしで攻撃をかわす。

犬は初音の袖を引っ張るとその場を走って逃げる。

「えっ」

「待ちやがれ!」

そんな彼らの前に腐敗臭を漂わせた異形の人型生物アンデッドが姿を見せる。

「おっ、おっ、おっ」

アンデッドは犬と初音を捕らえようとしたが、避けられる。

しかし、男たちの頭を鷲掴みにするとまるで林檎を握り潰すかのように頭を吹き飛ばす。

「きゃあ」

「ひぃぃぃ」

残った男は逃げようと引き戻るもアンデッドの餌食にされる。

「何なの?」

アンデッドは再び初音を狙う。

「逃げろ!」

その時、犬が声を荒げる。

「えっ」

「えっじゃねぇ!クソ人間が逃げろ!」

犬はアンデッドに飛びかかり、喰らいつく。

アンデッドは犬を振り払おうと地面や壁にぶつける。

「おっ、おっ、おっ」

「雑魚がクソ人間を襲うとは見苦しいぞ!」

初音は暫く恐怖で動けずに放心状態だったが、我に返って落ちていた木の棒を拾う。

そして、アンデッドに向かって攻撃しょうとする。

「クソ人間が何してやがる!」

「犬の分際でさっきからクソクソ言わないでよ!大体アンタだってヤられぱなしじゃない?」

初音はアンデッドに吹き飛ばされる。

「いった」

犬はアンデッドから離れると初音の前に立ってアンデッドに向かって唸る。

アンデッドは痛みを感じないし、恐怖も感じないまさに不死身の化け物である。

「どうするのよ!」

「だったら逃げろ!」

「嫌よ!」

その時、初音と犬の胸、言わば心臓が青白く輝く。

「な、何?」

「何だ?」

アンデッドは犬に攻撃するとその反動が初音にも響く。

「痛」

「……まさか?」

犬は青ざめる。

「何よ?」

今度は初音が攻撃されると犬まで痛みが伝わる。

犬はこれ以上この人間と関わるべきでないと判断すると口から白いビームを発射させる。

アンデッドに命中すると塵となって消える。

犬は体力を奪われるとそれは初音にまで反映する。

「はぁはぁ……」

「何でこんなに疲れるの?」

これが2人の戦いの序幕であることをまだ知る由もなかった。

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