短編と言う短い文章の中にある、さりげない伏線。そこにしっかりその伏線を回収する書き方をしているのが上手です。なにより、今と昔で変わりこそすれ仲良くやっていますよと言う纏め方も上手く、個人的には文章の組立てを見て欲しい作品です。
二つの時間、今と昔を対比して描かれている物語。昔の思い出を「あぁ、懐かしい。よかった」とほのぼのと垣間見る一方で、今という時間を幸せに楽しむ。直接的な表現ではなく間接的に落とし込む。読んでいるだけで、自分の人生を思わず振り返ってしまう。短編ながらも、そんな素敵な物語でした。