第4話 お風呂モード

(甘ったるい声で)

「あ・な・た。そろそろ、お風呂にします?」


「え! 面倒くさいって?」


「風呂キャン界隈?」


// 鼻をくんくんする


//SE ビープ音


(機械的アナウンス)

「クサイデス。クサイデス。アセクサイデス。フカイシスウ100」


「カラダヲ ニュウネンニ アラウ ヒツヨウガ アリマス」


(甘ったるい声で)

「ダメですよー。汗を流しましょうよ。疲れが取れますよ」


//SE お知らせのメロディー

//SE オフロガワキマシタ。ホオンウンテンシマス。


「ほらぁー。準備できましたよ」


「え? ワタシが水着になったら入る?」


「もう! 仕方ないわね。……着替えてきますね」


//SE ドアの開閉音


// 隣の部屋で悶える声


//SE ドアの開閉音



「んもう! 水着がきつーい! 急に胸もお尻も大きくなったから、前の水着が合わないの!」


「胸がはちきれそう!」


「……えっ。水着は新しいの買わない。そのままでいい? もう! エッチね」


//SE シャワーの音


「んもう! ワタシのカラダにばかり、シャワーを当てないでください」


「お背中、流しますよ」


//SE シャワーの音


「首のうしろにホクロがあるんですね」


(囁くように)

「セクシーだわ。ふふ」


//SE 浴槽に入る音


「はあー。……いい気持ち」


「ちょっと、ふたりで入ると狭いですけどね。うふふ」


//SE 水をはじく音


「ひゃっ! 顔にお湯かけるの、やめてくださいよー」


//SE 水をはじく音


「ふふん。仕返しです」


「あ・な・た。顔が赤いですよ」


「ミーナも、のぼせてきた。あがりましょうか?」


//SE 浴槽から出る音


「バスタオルで拭いて差し上げます」


「自分でやるから、いい、ですって!」


「わかりました。ミーナは、髪を乾かしてあ・げ・る」


//SE ドライヤーの音


「最近、抜け毛が多いようですから、育毛剤を塗っておきましょうか」


「まだ若いから必要ない?」


「ダメですよー。早めのケアが明るい未来につながります」


//SE 育毛剤を塗布する音


「この育毛剤、良い香りがしますね。スッキリとした爽やかな香り」


「気持ちいいって? 塗って良かった?」


「ミーナ、うれしいー!」


(機械的アナウンス)

「ケンコウ、チェック。ケンコウ、チェック。タイジュウケイ ニ ノッテクダサイ」


「アナタノ カラダネンレイハ マイナス10サイ デス」


(甘ったるい声で)

「あなたが、今日も健康でうれしいです」


「ミーナのデータには、あなたの体が弱かった小さい時の記録も残っています」


「本当に丈夫に大きくなられて……」


// すすり泣く


「ダメダメ。ミーナは生まれ変わったの」


「明日も元気で過ごせるように、ミーナ、がんばりまーす!」





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