No Movie, No Life.

水瓶ミリー

No Movie, No Life.

 中学のクラスメイトがアイドルに夢中な頃、私は少しみんなとは違っていた。


 休み時間になると、友達が集まってそれぞれの好きな人のパートを歌いながら

踊っているのをそばで見ていた。

私もそれなりに情報は得ていたから、合いの手を打ったりして、それはそれで楽しんでいたけれど、「本当に好きなものは違うんだよなぁ……」なんて思っていたのだ。


 私は父の影響で、子供の頃から見るテレビは『特攻野郎Aチーム』、『ナイトライダー』、『刑事スタスキー&ハッチ』、『バイオニックジェミー』など、外国の吹き替えテレビが主で、「マイケルかっこいい~、ハンニバル大佐最高~!」と思う幼子だったので、クラスメイトとこの手の話しが出来るわけもなく、本当に好きな話題は学校ではしたことがなかったのである。


 そんな感じで、吹き替えテレビドラマはよく見ていたけれど、映画はそれまであまり見たことがなかった。

ある夏のこと。母方の田舎に行ったのだが、叔母が大の映画好きであったため、おすすめしてくれた映画を見たことがきっかけとなった。

当時の年頃の私におすすめする映画とは思えない内容だが、よほど叔母が気に入っていたであろうことが、今の私なら理解できる。

そこで衝撃を受け、外国映画好きになったというわけだ。


 それは、『フットルース』という1984年公開の映画である。


簡単なあらすじを話すと、アメリカの小さな田舎町で、ある事故がきっかけとなりダンスやロックが禁止されていたのだが、都会から越してきた青年によって、徐々に住人達の意識も変わり、高校の卒業パーティでダンスパーティを行うというもの。


 アメリカ映画にはよくプロムなどの卒業ダンスパーティが出てくるのだが、これが青春映画には欠かせない要素なのだ。


ストーリーはシンプルだけど、魅力的な登場人物や歌、踊りなど。小学生の私が憧れるには十分すぎる内容である。


挿入歌である映画タイトルと同じ『フットルース』という曲は、もうイントロだけで自然と体がリズムを刻んでしまうほど最高にキャッチーな曲なのだ。

私は英語も分からないし、ダンスもしたことがないのだが。


 そして、映画好きのバイブルといえば、『ロードショー』と『スクリーン』である。アイドル好きのバイブルはもちろん『明星』であろう。


 付録も豪華でハリウッド俳優などのピンナップが付いているのだ。

毎号それは楽しみにしていたのを今でも覚えている。

当時の私の部屋の壁紙は、マイケル・J・フォックスやリバー・フェニックス、

そしてトム・クルーズが飾っていた。


とは言え、子供の頃は使える金額もわずかだし、そうそう映画館に足を運ぶわけにもいかず、限られた中で楽しむためにレンタルビデオを借りて見るのが常であった。


『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『グーニーズ』、『スタンド・バイ・ミー』

『トップガン』などの大作映画は映画館に行ったが、好きな俳優の出演作を網羅するにはやはりレンタルビデオが一番である。

最近では、サブスクリプションサービスのお陰で、より手軽に鑑賞することが出来るのはありがたいものだ。


 恋愛やホラー、アクション、コメディ、SF、サスペンスなど興味を惹かれたらジャンルを問わず見ているが、中でもマイベストジャンルは3本。

あくまで、現時点で思う私の独断で選んだ作品であるので、これはその時々でまた違う作品になることを前置きとする。


 まずは、マフィアもの。代表作は『ゴッドファーザー』である。この作品はただの抗争映画ではなく、家族愛や主人公の葛藤、苦悩を描いていて、挿入曲も相まって、何度見ても涙なしには見られないのである。


 次に、主人公最強もの。これは数多くあり一つ選ぶのが難しいのだが、あえて選ぶならば『イコライザー』だ。この作品は主人公の圧倒的強さが実に気持ちよく、一見強そうに見えない風貌とのギャップと哀愁が実に魅力的なのである。


 昔ならいかにも強そうな外見の主人公であったと思うが、最近の主人公最強ものの共通点としては、武器は現地調達、そして身近なもので倒してしまう。一見強そうに見えない外見で大勢に一人で立ち向かうなどが挙げられるだろうか。


 最後は、ヴァンパイアもの。こちらも数多くあるが代表作をあげるなら

『ブレイド』だろう。こちらの女性版とも言える作品に『アンダーワールド』があるが、こちらの作品は主人公の女ヴァンパイアを演じた『ケイト・ベッキンセイル』が美しく、まるで夢を見ているかのような哀愁漂う世界観で魅了する。


 横道にそれてしまったので話しを『ブレイド』に戻すとしよう。


この作品は主人公最強ものとも重なるが、アクションシーンがリズミカルでかっこよく、刀を自在に操る主人公は見ものである。ただ彼は見るからに強いぞを体現していて、ヴァンパイアだが日光をものともしない【Day Walkerデイウォーカー】なのだ。


 上記に挙げた作品はほんの一部だが、やはり映画の話しをするのは楽しいものである。私も普段はあまり話すのが得意ではないのだが、こうやって好きな映画について

語るのは次から次へと言葉が出てくるものだ。


 かくして私の映画好き人生は始まり、今へと続くのである。


 間違いなく私の人生に欠かせないもの、それは映画だ。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

No Movie, No Life. 水瓶ミリー @milly99

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ