第17話 コノセカイでは

僕、佐伯悠真は最近になって自分の不得を恥じるようになった。



僕は、うまくいかないことが続いて

唯一、僕のことを一番に考えてくれた子に

酷い仕打ちをしていたことに気づいた。


気づくことができたのは、学生時代に僕が一方的に嫌っていた

篠宮 蓮という男のおかげだ。


あいつのお陰で最近は色んなことがうまくいくようになってきた。

感謝しても仕切れない。


そんな、恩人に今日は呼び出された。


アンリミテッドという風情のあるカフェだ。

マスターの個人経営らしい。


僕を、呼び出した蓮はいつにも増して真剣な顔で

僕に尋ねる。


「お前、最近になって電話かかってきてないか?」


電話?どう言うことだろう?


「誰から?」


「宮園沙耶から。」


宮園沙耶。

僕の幼馴染にして人気アイドル街道をまっしぐらの人物だ。

何を間違えたか、卒業式の前日に僕に告白をしてきた人物でもある。


「かかってきてないよ?どうして。」


そう。

僕と宮園の関係は関係は、あの告白以降

完全に途絶えた。


僕は、もう彼女と連絡を取っていない。


「それならいいんだ。もし電話がかかってくることがあったら絶対に雑に扱うなよ」


「そんなこと、、」


前までの僕だったらわからなかった。

というか、絶対に宮園に酷い扱いをしたと思う。


しかし、今の僕は流石に人気になることが

ある程度、のトラブルを引き寄せることになることはわかっている。

さすがに、ちゃんと対応はするだろう。


でも、

「大丈夫じゃない?宮園のグループってメンバー同士仲良いんだろ?」


そう、前につけたテレビ番組で

たまたま、宮園たちのグループのことをやっていた。

熱心なファンに

真摯なアイドルたちが写し出されていて

すこし、ホッとした記憶がある。


「いや、杞憂だったな。少し思うところがあって」


そう蓮が、安心したような顔で言葉を口にした後


僕らはたわいない話を三十分ほどした。


「楽しかったよ、ありがとう」

僕は蓮にお礼を言う


「それな良かった。」


僕にとって蓮は今では一番の親友だ。

こうやって、親友とたわいない話をできることがいかに大切なのか

所属しているコミュニティーがない僕はやっと理解できた。




しかし、宮園のことは何だったろう

そんなことうっすら心に覚えた。


しかし、すぐに忘れ思い出すこともなくなっていた。

後日、当の宮園から電話がかかってくるまでは。


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