虐めていた獣人の妹。差別禁止法が消えた日、妹も消えた。

@eacon

第1話

 同じ姉妹でも、ハーフなら見た目が変わる。


 私の妹は可愛いウサ耳を持っていた。


 私には何もなし・・・つまり普通の人間



 

 そんな違い


 素直に妹のウサ耳には嫉妬してたから気付いたらその耳でおちょくるようになっていた。


 さらに、妹はウサ耳がある程ウサギ遺伝子が強いのか怯えて反応する要素が面白かった。


私はどんどん、虐めて


気がつくと歯止め効かなくなっていた。



やり過ぎたと思った。妹を捕まえて爆音を流すのは


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今でも、あの時の妹の顔を思い出すと体が震える。


「ねぇ、春。ほら何やってるの」


「いやぁ、あはは」


私は何をやっているんだろうか。


「痛い!やめて!もう、やめて!」


気付いたら屋上の前で羽の生えたクラスメイトの羽をもぎ取られている光景が映る。


「ほら、何してるの?ほらいつもみたいに焼いてよ」


「え、あ」


【もう、聞こえないのよ!!お姉ちゃんのせいで!】


「いや、もういいかなって」


「はぁ?急に何を言ってるの?」


「あはは、それよりトイレ行ってくるね。」


「あ、ちょ、春!!」


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「おぇーーーー!」


気がつくとトイレで吐いていた。


「・・・」


何、今更・・・こんな


本気で、妹に嫌われるつもりはなかった。


だから妹には加減をしていたつもりだった。


「・・・私は、」



あの虐めを止める気はない。止めたら今度は自分が虐められる。


酷いことをしてきた自覚はあるのに過去を清算することは出来ない

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「・・・ただいま」


当然、母親からも妹からも返事はない。


それくらいことをしてしまった。


でも


妹の部屋をノックする。


返事がない・・・当然だ。あれだけのことをしたんだから


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テレビを付ける。


「えっ?」


獣人達の権利について、決定し獣人達は正式に劣等者として人権はなくなる。


「・・・な、なにこれ」


手が震える。


「どう言うこと、」


これからは獣人にとって人は崇める存在であり絶対な存在であることが確定する。


「・・・そんな、これじゃ」


【お姉ちゃんのせいで、私はずっと目指してたアイドルになりたかったのに!】


【お姉ちゃんといつか一緒に】


「ダメ、あんなことが」


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【やめて、お姉ちゃんお願い】


【動画回すからね】


【いやぁーーーーーー】


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目から涙が止まらなくなる。


後悔も


「許されていいわけがない!!」


春は走る。妹の元へ


自分のしたことは許されないことだとは分かっている。


でも、それでも姉として、昔は本当はずっと大好きで可愛い妹を


 「開けて!大事な話があるの!!お願い!開けて!」


扉は開かない、


 もうドア開ける。鍵が閉まってない。


 「あいた」


普段は閉まっているのに、それは逆に春に嫌な予感を感じさせた。


 居ない!!


 置き封筒があった。


 「何これ、そんな。嫌よ。姉妹で、」


【お姉ちゃん、意地悪多いけど、本当は】


【お姉ちゃん、お揃い買っちゃった】


【耳撫でてくれると、嬉しいな】


手封筒を開けると


 そこには札束と手紙が入っていた。


札束なんて欲しくない!それよりも手紙を読む。

 


 手紙読むと、そこには先に情報が回っていた今回の法律そこで、先に母親と隠れることにした


 そんな嘘よ。


 全身の力が抜ける



 後悔が押し寄せる。

  

 「そんな、どうして」


 もっと、早く妹に謝れば良かったのに、そしたら今頃一緒に



 絶望し、立つ力が出ない。


 

 下からよく見たら封筒にもう一枚入ってることに気づく。


 一気に力が入り、もしかしたら妹の住んでる場所が!


 


 最後にお姉ちゃんへ、片耳のことは許せないけど・・・あとプリン勝手に食べたり、友達の悪口言ったり色々許せないけど・・・それでも私の憧れだったよ。

 もし、もしも法律が戻って平和になったて、お姉ちゃんがひっーーしに謝るなら、


 虐めてきた人達にもだよ!!

その人達に許されて 私にもプリンとニンジン一生買ってくれるなら


また一緒にアイドル目指してあげないことはないかなぁー

 

 ・・・大好きだよ。でも探さないでね。

              妹より


 「・・・うっ、」


 涙が溢れる。よく見るとこの手紙も涙の跡があった。


 ごめんね・・・バカで酷いお姉ちゃんで


 

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