「僕の家、ゴミ屋敷なんだよ」——静かな告白から始まるお話。お前の家に行かせろと迫られた少年の、気まずそうな告白でした。主人公にもまた ある秘密があり、ふたりは意気投合……というかぽつぽつと会話を続けます。この淡々とした会話に滲む、救われたような感じが素敵なのです。塩味のタブレットとチョコレートクッキーでできた、ふたりの心のよりどころ。1,000字強の短篇にぎゅっと凝縮された、静かなユーモアと優しさと希望を、ぜひご堪能ください。夏の暑さと爽やかさの描写も素敵な作品です。