詐欺メール撲滅企画 天誅シリーズ ノッペラボウの真視
赤澤月光
第1話
### **ノッペラボウの血を継ぐ者:
*黒面の要塞**
東京の郊外、廃ビルの地下に広がるサーバールーム。無数のモニターが青い光を放ち、湿った空気に電子音が響く。霧島サヤ(27歳)は、ノッペラボウの血を引く巨乳美女として、普段は地味なOLを装っているが、今、彼女の瞳は鋭く輝いている。胸元の勾玉ペンダントが、彼女の能力「ノッペラボウの真視」を増幅させていた。
対峙するのは、詐欺メールを操るサイバー犯罪組織「黒面」の首領「マスク」。彼の姿は、デジタルノイズで覆われ、顔も声も偽装されている。サヤはここに至るまで、ノッペラボウの真視で黒面の末端メンバーを次々と暴き、警察に引き渡してきた。だが、マスクは一味違う。彼の技術は、サヤの能力すら欺くほどの高度な暗号化で守られている。
「お前の力もここまでだ、霧島サヤ!」
マスクの声は、スピーカー越しに歪んで響く。「俺の仮面は完璧だ。どんな真実も、俺の前では無力だ!」
サヤは目を閉じ、深呼吸した。彼女の脳裏に、過去の記憶が蘇る。
---
*祖母の教え**
10年前、サヤは祖母・キヨの膝元で、ノッペラボウの力について学んでいた。田舎の古い家屋、畳の上で、キヨはサヤに勾玉を渡しながら言った。
「サヤ、この力は嘘を暴くだけじゃない。人を救い、罪を悔い改めさせる力でもあるんじゃ。だがな、使う時は心を強く持つんじゃよ。真実を見せることは、時に相手の心を壊すことにもなる」
その言葉を胸に、サヤは詐欺で家族の貯金を失った過去を思い出す。あの時、父が泣き崩れる姿を見たサヤは、詐欺師を許せなかった。そして今、彼女はその怒りを正義に変えようとしていた。
---
*真実の対決**
サヤは目を開け、勾玉を握りしめた。彼女の周囲に、不可視の波動が広がる。ノッペラボウの真視が発動し、サーバールームの空気が歪んだ。
「あなたの仮面、剥がしてあげる」
サヤの声は静かだが、確かな力を帯びていた。彼女の瞳から放たれた光が、マスクのデジタルノイズを突き破る。モニターに映る彼の姿が揺らぎ、ついに本当の顔が現れた――冴えない中年男、佐藤健一(45歳)。彼はかつてサヤの家族を騙した詐欺師の元仲間だった。
「な…なぜ!? 俺の防御は完璧だったはず…!」
佐藤の声は震え、顔は恐怖に歪む。サヤの真視は、彼の心の奥底に隠された罪悪感まで暴き出していた。モニターに、佐藤が過去に詐欺で荒稼ぎし、豪遊する姿や、被害者たちの泣き顔が次々と映し出される。それは、サヤの能力が引き出した彼の記憶そのものだった。
「あなたが騙した人たちの顔、覚えてる?」
サヤの声は冷たく、しかしどこか悲しげだ。彼女の能力は、佐藤に自分の罪を直視させていた。彼の目から涙が溢れ、膝が崩れる。
「俺は…ただ、金が欲しかっただけだ…でも、こんなつもりじゃ…」
佐藤は頭を抱え、嗚咽を漏らす。サヤの真視は、嘘を暴くだけでなく、相手の良心を呼び覚ます力を持っていた。
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結末:天誅と悔い改め**
遠くでサイレンが響く。サヤが事前に通報していた警察が、廃ビルに突入してきた。佐藤は抵抗する力を失い、床に座り込んだまま呟く。
「俺が…全部悪かった。被害者に…謝りたい…」
サヤは静かに彼を見下ろす。
「その気持ち、忘れないで。警察に話して、全部清算しなさい」
彼女の言葉に、佐藤は頷き、自ら両手を差し出した。警官たちが彼を連行する中、サヤはサーバールームのデータをUSBに保存し、黒面の全貌を警察に引き渡した。
数日後、ニュースは佐藤健一の自首と、黒面の壊滅を報じた。佐藤は法廷で涙ながらに罪を認め、被害者への償いを誓った。サヤはテレビを消し、祖母の勾玉を握りしめる。
「これでいいよね、祖母さん」
彼女の瞳には、新たな詐欺の影を追う決意が宿っていた。
詐欺メール撲滅企画 天誅シリーズ ノッペラボウの真視 赤澤月光 @TOPPAKOU750
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