第4話 蒼也  どこまで?

 何気に2時間も経ったんだ。

 時計を気にしていなかった。


「紗友花さん、今日は貴重なご意見ありがとうございました。

 大変有意義なお時間をいただけました」


「いえ、私は全然語彙力がないので、先生の作品をもっともっと褒め讃えたいのですが、なんか、上手く言えなくて、すみません。

 もう、本当に、夢のような時間をありがとうございました。

 孫の代まで語れる一生の思い出になりました」


「あはははは!大袈裟ですよ。

 紗友花さん、また、メッセージ送らせていただきますので、よろしくお願い致します」


「はい!!いつでも、お待ちしています!!

 次の作品も、楽しみにしています。

 今日は、本当にありがとうございました!!」


 そう言って、彼女は部屋を出て行った。

 俺は、その場で見送っただけだった。



 どこまで気づいてるんだ?



「帰ったよ」


「おっつー。はぁ~風呂場 寒かったー!!」


「悪いな。俺がそっちでも良かったんだけどさ。

 直接会ってみたかったから」


「で?どうよ?気に入った?胸デカいじゃん?

 もしかしたら、おっ始まんのかな~って。

 バスルームとか使っちゃう系?って思ったけど。

 こんなシチュエーションで、おとすのは楽勝だったじゃん?」


「ん?そんな気は、さらさらないよ。

 今日は、普通に話をしてみたかっただけだし。

 せっかくだから、蒼真 ここ使う?」


「あ、もちろん、そのつもりだった!!

 言ってなかったけど、もうちょいしたら、オンナ来るから!!」


「さすがに、用意周到だね~。

 じゃ、鉢合わせしてもめんどくさいから、俺は帰るね。

 支払いはしとくから。

 追加で、ルームサービスも、好きに頼めよ」


「はい、ありがとうございます!兄上さま」


「なにが兄上さまだよ?

 じゃな。明日ちょっと話したいから、時間つくって?」


「了解!」

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