【完結】爆弾魔少女からの甘々爆破予告☆刑事さんにだけ教えてあげる秘密のターゲット♪

秋野てくと

chapter1「駅前の噴水広場」

//SE 電話の呼び出し音(短く)

//SE 受話器を取る音


……もしもし、刑事さん?


あっ、いつもの刑事さんだぁ♡


また、私の声……

聞きたくなっちゃったの?


ふふっ……そんなに私の声、好き?

好きなの?


ねぇ、好き、って言って?


//SE くすくす、と少女の笑い声


うれしいっ。


私も刑事さんのこと、好きだよ。


好きだから……今日もね、

ちょっとだけ教えてあげる……。



午後三時に、駅前の噴水広場。



私、ああいう場所が好きなの。


――だって、いっぱい人が集まるでしょ?


みんなが驚く顔を、見たくなっちゃうから♡


//SE 静かに刻まれる、時計の秒針の音


……ねぇ、知ってる?


昔の刑事ドラマだと、こういう電話って……

逆探知するために、わざと話を長くしてたの。


「時間を稼げ!」って、言われたりして。


うらやましいなぁ。

私も、刑事さんと……いっぱい、お話したい。


でも、今はダメ。


警察に電話したら、

すぐに通知元がわかっちゃうんだもん。

技術の進歩ってやつだ!


……まぁ、通知は偽装してるけど♡


通知元、

カンボジアからの国際電話になってるよね?


//SE パトカーのサイレン音


ホントはね、私も駅前にいるの。


広場がよーく、見えるとこ。

どこだと思う……?



(耳元でささやくように)

ざーんねんっ。ハズレです……♡



えーっ、言えないよぉ。

だって、捕まっちゃうでしょ?


逮捕されるのは、ね……

刑事さんじゃなきゃ、イヤ。


うん。


大好きな刑事さんになら、いつか……ね。


//SE パトカーのサイレン音

   徐々に、大きくなってくる


あっ。


お巡りさんが到着したみたいだけど……

間に合うかなぁ?


そろそろ、時間だよ。


ふふふ。


ごーっ……


//SE 静かに刻まれる、時計の秒針の音


よんっ……


//SE 静かに刻まれる、時計の秒針の音


さんっ……


//SE 静かに刻まれる、時計の秒針の音


にぃー……


//SE 静かに刻まれる、時計の秒針の音


いちっ……


//SE 静かに刻まれる、時計の秒針の音


ゼロ。




//SE 爆弾が起爆して、広場が消し飛ぶ音




どれどれ。


……刑事さん、お手柄だねっ。


見た感じ、人は死んでないみたいだよ?

次の現場では、どうなるかわからないけど♡


//SE パトカーのサイレン音


あっ、そうだ。


私がいた場所、がんばって推理してね?

刑事さんのために、プレゼントを置いておいたから。


ちゃんと見つけないと、大変だよ♡


とっておきのプレゼント――

そうそう、第二の爆弾だもんっ♪


刑事さんが見つけないとぉ……


//SE 反響して聞こえる自動車の走行音


――っ!


また、電話するね。

もっと……いっぱい、お話したいな……♡


じゃあね。


//SE 電話が切れる音

   ツー、ツー、ツー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る