第54話 いつも緊急じゃないのか?(2)

「次も情報部隊との合同作戦だ」

「サキとか?」

「そうだ」


 アイツには家まで送ってもらった恩がある。ちょうどいい、それを返す機会だ。

 続けて“本部”は言う。


「一週間後、レッドが新トウキョウ空港に来る。それを護衛して、こちらが用意する特装車に乗せてほしい」

「一週間後か、その日は……」

「ああ、社員旅行だな。その出発前の一仕事だ。八時ちょうどの便でくるから、よろしく頼む。あと、レッドは変装の名人だ。なので、顔や姿などは分からない。目印は紫のハンカチ、以上だ」

「えっ、紫のハンカチ!?」


 私の驚いた声が聞こえているはずなのに、“本部”は電話を切ってしまった。

 よりによって、紫のハンカチ。

 私があげたハンカチをラルが持ってくることは……まあ、ないか。うん、ないない。


「しかし……機密文書か」


 ニホンは隣の国とは仲が悪い。戦争になることはないだろうが、お互いに知られてはいけない秘密は山ほどあるだろう。

 まあ、それらを考え、扱うのは政治家の役目だ。私のような亜人が考えることではない。


「よし、今日は寝るぞ!」


 私はそのまま布団に入り込む。

 ……あれっ、何か忘れているような。


「そうだ! 夕食と風呂がまだだった!」


“本部”からの連絡を受けて、今日は何もかも終わったと思ってた。

 私はそのまま飛び起きると、夕食の用意を始めたのだった。

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