第17話 GO、生活部!!
あっという間に時間は流れ…
学校が始まった。
学校生活は以前カリスマむしろになったときのままだ。
「「むしろ様♡」」
全くなにをしたらこんなにモテるのか。
一種の洗脳でもかかってるんじゃないか?
うつろならやるだろう。
それにしてみ我が校王玉は男女共学である。
故にうちのクラスにも男子はいる。
あ、視線逸らされた。
なぜ男子は近寄ってこないのか?
そもそもカリスマむしろって何?
男にだけ嫌われてるの!?
私が!?
なんで!?
疑問は深まるばかりである…。
ガラガラと大きな音で戸が開く。
周りにいた女子たちはすぐさま席に戻った。
「あ!」
みくろだ!
でも…何か違うような。
「何見てんだよ。」
「いや、別に大したことないけど…。」
何か話題を広げなきゃ…。
久しぶりに会えたみくろと改めて仲良くならなきゃ…。
そう必死になっていた私はつい突拍子のないことを言ってしまう。
「ところで髪切った?」
その言葉は彼女の不意をついたようで─
「でよぉ、ほくろのやつが柔軟剤のみで洗濯してたんだよ。」
「あるある〜。」
なんか仲良くなった。
元来私にこのようなコミュ力があるはずない。
しかし相手が知り合い⦅一方的ではあるが…⦆だったから気兼ねなく話せたのが大きい。
それとカリスマの私の影響だろう。時折みくろの目が輝いているように見えた。
記憶にないはずの昔の私を覗き見るかのような…。
(でもヨシ!!みくろちゃんとも再び仲良くなった!!)
(それにしても後ろの席ずっと空いてたけどみくろちゃんの席だったとは…。)
こうして、席が近かった私たちは一限目が始まるまで話しまくったのである。
***
四限目が終わりお昼の時間となる。
みくろとの談笑を続けようとしたその時だった。
「そこのチンピラさん。ちょっと部長を借りるわね。」
話を遮ったのはめいろ。
え?部活は午後じゃないの?
それにそんなに挑発しちゃあ…。
「ンだとてめぇ。誰に向かって口聞いてんだ、あぁ!!」
怒らせてしまった。
当然だ。
というか誰でも怒るよそんな暴言。
「チンピラ…?」
無自覚煽り。
クラスメイトなのに名前覚えてないのもどうなのよ!!
まあ私も全員の名前知らないんすけど…。
「上等だよ。オモテでろや。」
「? 私が用あるのはむしろの方なんだけれど。」
どうしよう。ど〜〜しよ!!
ケンカの止め方って、どうすればいいの!?
答えてよ、検索エンジンちゃん!!
「おやおや。ずいぶん騒がしいじゃないか。」
救いの手、それはまさしく“てきろ”だ!!
「どうかしたのかい?木上くん。」
なぜ一番最初に声をかけたのが私だったのかはわからないけれど。
「めいろが無自覚煽りを決めてみくろ大噴火!!」
「この上なく簡潔で適切な状況説明ありがとう。さて…」
睨み合う二人の間に入っていった。
「めいろくん、まずは詫びさせていただこう。うちの友人がご迷惑をかけた。誠にすまない。」
チグハグ、でも誠意が伝わる謝罪だった。
「しかしだ。君も暴言を吐くのは良くない、チンピラは悪い言葉なんだ。」
そうなだめるてきろはドラマで見た子供をあやす保母のようだった。
「そうだったのね。こちらこそごめんなさい。」
めいろはあっさり自分の非を認めた。
全く素晴らしい女子だと思う。ロリコンでさえなければ…。
口惜しく思う。
めいろと一緒に教室を後にするとき、二人の笑い声が聞こえた。
てきろとみくろ、部活の時は馬が合ってないように見えたけど、仲がいいじゃないか。
私が考えているよりも二人は幸せに生きていた。
記憶がなくなった二人を助けなきゃって思っていたから、安心したような寂しいような。
「むしろ、何ぼーっとしてんの。さっさと行くわよ。」
「あ、うん。」
***
「それで集まってくれたわけだけど。」
活動場所は死活部のときと変わらない。元が物置だったために散らかっている。
「まずは某から。」おぼろが手を上げた。
「生活部誕生からはや半年が経とうとしているわけですが、われわれも学園祭の催物について協議しようと提案した次第です。」
おお。活動年数はハテナだけれど、頭にすっと入ってくる説明だ。
お見事!!
「まあその前に、めろめろもむーちゃんも記憶がないっぽいから部活内容について軽〜く話すね〜。」
おお、そぞろもナイスアシスト!!
話ができすぎてないか?
…もしかしたらうつろを追放したのってこの二人?
「私たち生活部の活動内容は〜」
「生徒会の下請けだよ〜。」
とてもゆったりと話すそぞろから軽い恐怖心を抱いた。
なんともやりがいのなさそうな内容!
「え、それってどういう…」
「納得いかないわ。」
割り込んだのはめいろだ。
「私や意思薄弱なむしろはともかく、うつろが入ってるのはおかしいわ。」
またさらっとバカにされた。
さあこの二人は私たちを騙すためにどんな嘘をつくんだ?
「正直覚えてないんだよね〜。」
「ああ、署名を頼んだ覚えもないのだ。某らはあと一人の部員をどうしようか悩んでいたのだが、気づけば部活届けは受理され、認められていた。だからわからない。」
うむ、もっともらしい。
さて、いよいよ私のターンかな。
「さっき話してた部活の内容だけど、生徒会の下請けって何をするの?」
「う〜ん、プリント貼ったり、物を運んだり、あと生徒のお悩み相談聞いたり。むしろちゃんのアイデアだけど〜すっごい人気なんだよ〜。」
そぞろはそう宣う。
まあ、架空の私に拍手でも送ろうかな。もっともその活動内容が実際に行われたか、は別の問題…
「失礼します!!」
勢いよく入ってきたのは二人の男子生徒。
「屋上から、と、飛び降りようとしてるやつがいて…。」
飛び降りはもうやったぞ、と言いたかったが記憶が戻ったことをバレないために口をつぐんだ。
「じゃあ早速、人助けに行こうじゃないか。」
「お〜!!」
「自◯なんて認めないわ。さっさと行くわよ。」
「あ、こんなカンジなんだ。まあいっか。」
「「「GO、生活部!!」」」
センスが昭和…。
そんなことを思いながら天井への階段を駆け上がるのだった。
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